「仮面ライダーカブト」

 ぬあ〜……すっかり本田博太郎さんは「良い父親」だなぁ……。中盤ぐらいまでの思わせぶりな言動の数々は何だったんだ……まぁ、こんなこと今更平成ライダーに言うことじゃないですけども。それにしてもなぁ、なんか勿体無いよなぁ。加賀美とのキャッチボールは確かに良いシーンだったけど、折角の本田さんなんだから……という気持ちも強く。ふぅ〜。

 その加賀美は、今回すっかり主人公だったんだけど、他に出さなきゃいけなきゃいけない奴が多すぎて、全体の主軸としては著しく弱かった。冒頭で交渉役の旨を伝えられ、ホッパー三兄弟や天道や岬や蓮華、仲間達を渡り歩いて、それぞれから助言を貰って、最後の最後で「自分の結論」を出してボスの前に立ちふさがり、変身……っ! そんな感じで構成されてたら、正統派の「ヒーロー」として燃えたのだけどなぁ。何か、良い素材は揃っているのに、時間が無いから出汁にぶち込むだけで済ませました、って感じで(天道風比喩)凄く残念。というか勿体ない。負けちゃうし。

 だからと言って時間が割かれた天道パートやホッパー兄弟パートに不満があるかと言えば別に無いってのが「カブト」の嫌なところ。天道がゆ〜〜〜っくり登場して「そう言えばお前にも借りがあったな」と呟くところは「待ってました!」って感じだし、ホッパー兄弟(というか矢車と神代)の徹底したギャグキャラっぷりには素直に笑うし、そんな中でも「 3 人並び立って同じポーズを取って同じタイミングで『変身』」はあんな格好なのにちょっとカッコ良かったし、そんな部分でも楽しめちゃうから「カブト」って嫌。もっと、「ブレイド」みたいに細部までダメダメになってくれればそれなりの見方が出来るってのに。くそー罪な奴だ!

 ただ、アクション面に関してはハッキリと不満。前回、あれだけ立ち回りで見せてくれたと言うのに、今回はまた大技系に逆戻り。「ハイパーマキシマムサイクロン」という大仰な名前に恥じない派手な技だったとは思うけど、そんなので燃えないんだよー。分かってくれよー。天道の借りの返し方が「ホーミングレーザー」という機能頼みで何だかなーって感じだし。もっと視覚的にも魅せておくれ!!

 来週からはダークカブトもひよりも出てきて正真正銘クライマックス。なんか次回予告で久々にザビーブレスも映ってたし、何もかも楽しみ。この際、「設定がどーこー」「伏線がどーこー」とみみっちぃことは言わないから、とにかく血湧き肉踊らせて欲しいな。贔屓目無しに、キャラの魅力だけならここ数年ではダントツなんだから。

 あ、「伏線」と言えば、まさか今更「マーボー豆腐対決」が掘り返されると思わんかった……。こういう、初期の話が終盤で掘り返されるのって、平成ライダーでは結構珍しいよね。あぁ、あの頃の矢車は聡明だったなぁ………。