「第2日本テレビ」

 「松紳」観てたら、急に「この後松本人志が生出演します」とテロップが出たので、そのままやたらテンションの高い中尾明慶くんのよく分からない情報番組をスルーして、視聴。

 深夜の日テレ前で、画面の真ん中にドアップで脊山アナが映っていて、その脊山アナの背後、画的には脊山アナの顔面右横の隙間に提灯ライトを背負った土屋敏男プロデューサー(かな?)、反対側の顔面横隙間にやはり提灯ライトを背負った日テレ社長、副司会・雨宮秀彦、そして松本が順々に登場(松本曰く「メイクした意味が無い」「スタイリスト、カンカンじゃないですかね」)、という大変不可思議な画面でスタート。

 この画面は、放送時間中( 15 分間)崩れることなく、脊山アナの脳天気な顔がどっかり居座っている画面の奥の方で、土屋さんが松本に「コントを作りましょう」と説得するという番組自体も大変不可思議な番組でした。観ている内に、真ん中にでっかくある脊山アナの顔面を視界から消せるようになるのだから、人類もまた不可思議ですね(は?)。

 番組進行は、フロアディレクターどころか照明も居ない為にグダグダを極めていたのですが、要は、この番組は日テレの「ビデオオンデマンド企画」を進める番組らしく、土屋さんは松本に「オリジナルコントを作って、一本 100 円ぐらいで配信する」という事業(?)を持ちかけるという内容でありました。

 地上波の放送では、土屋さんが企画主旨を説明して(DVDが売れてるんだから行ける、とか制作費は料金から出る、とか)、松本がよく分からないが故に渋りまくる(曰く「なんかマルチ商法みたいな……」「こんな状態で制作費があるとは思えないんですけど」「そんなんだったら電話で済むじゃないですか。わざわざこんな時間に……」)、という状態で終わってしまったのですが、その後ネット配信で会話は続いておりました。……が、僕のオンボロMacでは全く観られない(再生されない)という衝撃展開(僕が)になったために、簡潔に書き起こして下さった欲しがりませんさんに無断リーーンク!

http://d.hatena.ne.jp/maikuhama/20051007/1128632796

 以前、日テレが「ネットコンテンツ配信」に手を出す、という記事を読んだときは、「どうせまたしょーもないんだろ?」と割と失礼なことを考えていたのですが、いきなり松本に長い間アンタッチャブル(?)だったコントをやらせよう、という思っていたよりずっと本気だったようで。

 ネット配信自体は賛成ですし、お金を取って観る、というのも賛成。テレビでやれないことをどんどんやって欲しいとは思います。まぁ、「もっとテレビで遊んでくれよ、テレビを見捨てるなよ」とは、テレビっ子としては思いますけど、現状を考えるとそっちに行ってしまうのもしょうがないかなぁ、という気はしますし。

 ただ、すごーーーーく個人的な意見としては、まずこの企画主旨の時点で既に「観られない人」が結構いそう、という気がします。「お金が無い」ってのはしょうがないとしても、例えばその課金システムがクレジット決済だとしたら、クレジットカード持ってない人は観られないのですか? ということになる。現に僕もその一人ですし。

 僕は、「見せる側」が「観る人」を制限することには賛成出来ません。間口は広く作り、そこを通るか通らないかは観た人が自分で決めることだと考えます。故に、課金システムは本当によく考えて欲しいと思います。更に個人的なことになると、古いPCでも観られたらいいなぁ、と思うけどそこはもうどうしようもない。

 あと、「期間限定」「時限ファイル」には断固反対です。それは、おれはおまえのパパじゃないさんが書かれてるような「所有欲」という意味でもそうですし、ネットの「データが永遠に劣化しない」という特性を全く活かしてないから。

 僕は、今でも「ごっつええ感じ」「お笑いウルトラクイズ」だとかを真面目に観てなかったことや、「志村けんのだいじょぶだぁ」を録画しておかなかったことを後悔してます。DVDにして出されるにしても、それはもうリアルタイムとはどうやっても違う形なわけです。

 そういう「観ておけば良かった」という後悔を、ネットまでやってきて「あの期間中に(様々な事情で)観られなかった」として引きずることないじゃないか、と。例えば、今の子供が 10 年後ぐらいに松本人志にハマったとして「 10 年前、松本はネットでコント配信しててさー」って上の世代の人に言われたときのことを想像してみればいい。どんな思いをするか。僕はそんな思いばっかりしてきました。散々上の世代の人に「『ごっつ』は伝説だった」って言われまくったんだから。今、DVDで見返したってその人達が受けた衝撃とは絶対共有できない。

 そりゃネット配信でも 10 年後に観たら「リアルタイム」じゃないけど、それでも当時と同じモノをいつでも観られるという「時間的問題」を取っ払えるのがネット配信の強みだと思うので、最低「ファイルの所有」は我慢するから「お金さえ払えばいつでも観られる」という状態ぐらいにはして欲しいなぁ、と思います。まぁ、それには色々問題あるんだろうけどさ。

 そう考えていくと、「その前に今までの番組をライブラリー化の方が先じゃないか」という気がしてきましたが、それはまた別の話。さてさて、これからどう展開するんでしょうか。取り敢えず、本格始動は 27 日ということなので、楽しみにしてます。話の感じからして、僕は観られない可能性高そうだけど……。

 因みに、「第2日本テレビ」のサイトはこちら。ここで配信する模様。

http://www.ntv.co.jp/dai2-junbi/