「電車男・もうひとつの最終回スペシャル」

 劇団ひとり主演という今後二度と無さそうなものを見逃すはずもなく、しかと視聴。因みに「電車男」本編は最終回をチラッと観た程度です。まぁ、それでも特に問題なかったですけど。

 劇団は、本気で主役! という感じではなく、まず基本として総集編があり、そこに付いてるサイドストーリーのひとつの主役、という位置付け。まぁ、そりゃそうだよね……。本気の主役だった伊藤敦史くんは、伊藤美咲さんと並んでも遜色ない、想像していた以上に堂々とした主役っぷりでうっすら感動すら致しました。「石田さんのおかげでした」にも出てくれれば良かったのになぁ……。

 噂に聞くはっちゃけ豊原功補 & 白石美帆も確認。ああ、ああいうのを毎週やってたわけね……。どうしちゃったんだ二人とも。特に豊原さん、この間「いいとも」のテレフォンショッキングに出てたときは渋く決めてたのに……今回、金的喰らうわマッチョに持ち上げられるわ階段転げ落ちるわ、一体何の役なのかさっぱり分からないぐらい汚れてましたけど。いいのか。

 で、肝心の劇団はコントキャラ全開。そこに加えて薬師丸ひろ子のモノマネに涙にギター、ついでに訳の分からない「ウミガメの産卵」まで加わって、色々な意味で「劇団ひとり」が全開。「やぐちひとり」は勿論、「完売劇場」でも今や発揮されない部分が全開。最近、劇団は意図的なのかどうなのか、テレビでネタを全くやらなくなったので、そういう飢餓感も相まってわたくしホクホクでありました。

 一番凄かったのは、相方(?)の川本氏(菅原永二)との、電車男告白シーンアフレコ(内Pみたいだな)。川本氏は伊藤くんの悪意まみれのモノマネ、劇団に至っては画は伊藤美咲さんなのに、アフレコは薬師丸ひろ子のモノマネでの掛け合いという「意味」というものを遠くに置き忘れたような時間。こんなのが、本編の一番盛り上がったろうシーンに対して行われたというおぞましい程の悪意に僕は笑いが止まりませんでした。

 一応、ギリギリの線で「ドラマ」の体裁を保ってはいましたが、そこに内包されたものを思い出すと愉快です。だってメインが劇団のコントキャラですよ。その部分だけ観たら、「劇団ひとりのソロセルコントビデオです」と言われても信じる。あぁ、愉快愉快。こういう悪ノリドラマ、またたまーにで良いんでやって下さると、わたくしのような人間は楽しいです。宜しくお願いします。