「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

 おいおいおいおいおいおいおいおい。どっちが主役だよ。

 いや、単純に「話の比重が明らかにメレの方に行ってるじゃねぇか!」ってだけならまだいいんですが、完全に、というか圧倒的にメレの描き方の方が正しいので、「おいおい、それはちょっとないんじゃないの」と思うわけです。

 だって、「これが……ファンタスティック・テクニック……!」だの「豚の角煮!」だのと言い合って何となく勝ってる奴らと、「愛する者のために、自らの体と命を賭して宿敵を討ち倒す」奴、単純にどちらがカッコイイか? そんなもの、訊くまでもないでしょ。だってその図式、完全にヒーローじゃん。

 例えば、今回の反逆者の目的が「ゲキレンジャーとの和解」とかで、それを潰そうとした、とかあくまで「非情な『悪役の美学』」としてメレや理央が動くなら良いけどさ。反逆者は下克上を狙ってて、メレは愛する人のためにそれを阻止しようと、敗戦を乗り越えて修行し討ち倒し、そんでもって理央はすげー良いタイミングで降臨するわけでしょ? もう比喩でも揶揄でもなんでもなくホントにゲキレンジャー要らないじゃん。この番組に必要な要素は全部持ってる。

 いいのかなぁ、そんなんでいいのかなぁ。いや、カッコ良ければ何でもいいとは思いますけど、やっぱりあのカラフルな連中にはちゃんと活躍して貰わないと、なんかスッキリしないんだよー。そんな事後処理だけなんて嫌だよー。

 つーか、ここまで直球勝負出来るなら、何でも今までやんなかったんだ。あんなピアノだの角煮だの持ち出さず、今回のメレみたいな熱い魂の響き合う修行させとけば、僕だってもっとハマれるのに! バカー!!

 今回からようやく殺陣にスピード感が付いてきたみたいだし(これも、やれるならもっと早くやってくれよ!)、今回のエピソードでこれ以上無いぐらい立ちまくった悪役キャラに負けないゲキレンジャーの活躍を早急にお願いしたいところです。取り敢えず現段階では、格好良さに於いて、修行を終えてコブラの前に立ちはだかったメレの「ラブウォリアー……メレ!」という名乗りポーズに、ゲキレンジャー 2000 歩ぐらい遅れを取ってると思います。

 でもま、レッドがあんなキャラな時点で、今回のメレみたいなカッコ良さは期待しちゃいけないのかも知れないけど……。