「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

 バイオレット、まさかのやられ損!!

 いや、別にやられるのは構わないんだけど(順番変じゃね? とは思うが)、いくら何でもホントにやられるだけってのは可哀想過ぎやしないかい? せめて「一見効かなかったけれど、バイオレットの渾身の一撃のダメージが、レッドの窮地を救う」とかさぁ、何か「バイオレットが体を張った甲斐」があってもいいんじゃないかい? 「友情のため」と言うなら、宿命の対決を終えて暴走する理央を身を挺して止めるでも良いし(それだとメレの出番無くなるか)。「三つ数える間に仕留める」の件は、久々にシブいヒーローっぽくて良かったんだけどなぁ。

 完全に観客と化したメンバー含め、主役二名以外の扱いがちょっと酷すぎた。やっぱり、「戦隊」はチームなんだから主役がレッドだろうと、そのレッドのために仲間は動くべき。「デカレンジャー」の最終回のように、レッドが大ボスと戦うための露払いとか、色々役目はあったろうになぁ。そのあまりの存在の無意味ぶりが、逆に話の盛り上がりを阻害していた。本当に残念でありますよ。

 ただ、肝心のレッド vs 理央の対決は、散々引っ張ってきただけあって結構見応えがありました。素面同士での激しい組み手の後、爆炎の中での変身・戦闘は、「ゲキレンジャー」にしては珍しくほぼ CG 無しの本気組み手で結構な迫力。やっぱり、ああいうガチのぶつかり合いだと、拳ひとつひとつ、技のひとつひとつの重さがしっかり有っていいね。

 それだけ盛り上げて、最後の最後で何となくで締めてしまう辺りが本当に残念なんですが。違うんだよ! 理央は実力的にはレッドを凌駕してなきゃダメなんだよ! そんで、レッドは理央とは別のベクトルの「力」で勝たなきゃ、真の意味で理央に「勝った」とは言えないんだよ! もう〜ちゃんとしてくれよー。

 で、最後はようやくロンの企みが露呈して真のクライマックスへ、という具合か。メレの美味しいとこかっさらいぶりは凄いなぁ。「理央様早く!」「今、理央を失うわけにはいかない!!」……あのさぁ、この期に及んで主人公達置いてけぼりっていうのは、もう悪意にしか感じないんだけど。

 あと、どうでもいいけど新戦隊のスーツって、全身過去の使い回しにしか見えないのは僕だけでしょうか……特にレッドなんてモロに「ジェットマン + ファイブマン」じゃないか?