「仮面ライダー電王」

 「嘘泣きしかしたことないんでね」は、不覚にもちょっと泣きそうになった。やっぱり、「仲間のために戦う」という姿は無条件にカッコイイよ。だからその辺を「ゲキレンジャー」は(しつこい)。ま、今回のウラタロスは限りなく「自分のため」だけどね。

 整理すると、姉ちゃんと桜井の目的は「赤ん坊を守ること」で、その方法は「良太郎に意図的に赤ん坊のことを忘れさせて、時間破壊させた後に修復させない」ようにして、「特異点である赤ん坊は消えることはないので、時間の間(?)に隠せる」というものだった、と。で、その執着ぶりから察するに、真の「分岐点のカギ」はその赤ん坊、ということか。

 「そもそも良太郎、そして赤ん坊まで特異点であると何故分かったのか?」「そこまでさせるゼロライナーを持ってきた人物って誰なんだ」「新しい路線ってどうなった」「っていうか結局カイって何?」等々、正直(エピソード構成上の)強硬手段が過ぎると思うけど(いくら何でも、「何で実体化してるの?」の答えが「何で?」だけってのは酷い)、そんなことは気にさせないぐらい………というのは流石に無理だけれど、盛り上げだけはしっかりこなす辺りは「電王」の強みだなぁ、と思います。まぁ、その盛り上がりについていくか、上記のようなことが気になって引いちゃうかは人それぞれだと思うけれど。

 でも、個人的には色々と放置されたネタはあれど、構図として「姉のために戦うライダー達、そしてそのライダーのために戦うイマジン達」というのはヒーロー番組としてとても美しいと思うし、その美しさは特に「平成ライダー」では長らく感じてこなかった類のものなので、そこはとても誉めてあげたいと思うのですよ(何様だ)。ま、確かに設定の無理くり感や、そんなヒーロー側に対して悪役のキャラクターがあまりにも固まってない上に弱いのは事実だけれど……。

 何はともあれ、来週はとうとう最終回。最終回がどうなるかはサブタイトルの「クライマックスは続くよどこまでも」(名タイトル!)から何となく予想はつくけれど、「ジークも出るっぽい」とのことでわくわくであります。わーっと盛り上がって、グッとさせて、ビシーッ! と締めてくれること希望。ただただ楽しみに待つだけ。1 年間観続けた所為か、最初はあれだけ反吐が出る思いだったソードフォームのデザインも、次回予告で観たときは神々しさすら感じてしまったよ。

 新ライダーに関しては、久々に初見でちょっとカッコイイので、視覚的には若干安心。ただ、主役の人の良太郎以上の優男振りが怖いけれど……。