「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

 何故か村は滅びていて、何故かペンダントだけ残っていて……展開自体は本当に王道で、どう転んでも安心して観ていられるハズなんだけれど、結局どんなに王道だろうと「ゲキレンジャー」は何でも歪にしちゃうのだな。嫉妬とイラ立ちで暴走するメレ、レッドを“好敵手”として信頼し続ける理央、そして“仲間”として信じ続ける仲間たち、その様子が貴に食わないロン……などなど、パーツはいろいろあったわけだけど、そのどれもを単に並べ立てただけのエピソードで、本当に見応えがなかった。

 立ち直ったレッドにシャーフーが授けた「ダンの言葉はあくまで“願い”じゃ。重荷に感じることはない。お前がどういう道を進むかは、お前は決めることなのじゃからな」という主旨の言葉は、シャーフーが発した言葉の中ではダントツに「師匠っぽい」台詞だったし、単純に良い台詞だとも思っただけに、「なんでこんなエピソードで発揮しちゃうのかな……」ともどかしい気持ちでいっぱいです。

 ベタならベタなりに、想い出の地に母親の残留思念(激気魂だっけ?)があるとか、もうちょっとメレの想いがレッドにも響くとかさ、こう、もっとストレートにクる感じが欲しかったのだよ僕は。あぁ惜しい。……でもまぁ、どんなに王道展開をやっても、最終的にはダメギミック詰め合わせ巨大戦になっちゃうんだから、なにやっても一緒なのかもなぁ。