「人志松本のすべらない話4」

 何でも、前回「ギャラクシー賞」なんて大層な賞を貰ったという特番の第 4 弾。今回のメンバーは、前回に引き続いての松本人志千原ジュニア次長課長・河本、ほっしゃん。ケンドーコバヤシ宮川大輔、そして新たにくりぃむしちゅー・有田、おぎやはぎ・矢作という面子。

 前回まで、観る度に僕が書いていた「気持ち悪い間」を、実は出演者達も自覚していたということがオープニングで分かり、ちょっとだけ溜飲を下げたのですが、今回はその「気持ち悪い間」が皆無で、「番組としては」今までの中で一番でした。

 理由を考えてみると、やはり有田・矢作の緊張感欠如コンビの存在が大きかったように思います。サイコロが当たる度にカンペを懐から出したり、最初からオチを想定してない話をする有田や、「すべらない話っていうか報告なんですけど」と前置きして、「中山秀征は業界用語が凄い」というホントに報告だけする矢作の言動、更にはそもそも二人の持つ喋りの雰囲気やらが、自然と他のメンバーのツッコミやフォローなどを誘発していたのが、結果的に「じゃあ、サイコロ振りましょうか……」みたいな一種の気まずい空気や、番組コンセプトから来る無言のプレッシャーを相殺したのではないかと思います。

 お陰で、心なしか出演者にも余裕が見て取れましたし( 4 回目のメンバーも居るので当然かも知れませんが)、人の「すべらない話」に対して松本がちょくちょく似たようなエピソードを披露したり(そしてメンバーにツッコまれたり)と、とても番組の流れが綺麗でした。

 この番組に対して、一種のストイックさを求めている視聴者は、こういった有田や矢作の存在感は快く思わないかも知れないのですが、僕のようなユルい視聴者には、この番組の(悪い意味での)緊張感や、番組構成のシンプルさ故の「隙」が緩和されていて、とてもとても見易く、番組としての魅力も上がって見えました。今後も、こういう「緩和役」のメンバーは、有田や矢作じゃなくても良いので入れて欲しいな、と思います。

 ただ、それはあくまで「番組として」の話であって、中核となっている「すべらない話」自体は、今までのシリーズ中では一番弱かったです。正確には「小粒がいっぱい」という感じ。

 番組中、一番笑いが起きるエピソードが強烈な下ネタであるのはシリーズ共通ですが、今回の宮川に寄る「バッファロー吾郎・木村が、コンパの席で女性の頭にちんちんを乗せて『ちょんまげ』とやった後、席に戻ったら、糸を引いていた」という話は、あまりにアレ過ぎて若干引いてしまいました。

 まぁ、連続出演によりレギュラーメンバーの弾数が不足してきた、というのもあるかも知れませんが、番組のカギを握るのが「サイコロ」で(要は運任せ)、「保険」が一切無いのがデカイのでしょう(メンバーがある程度「保険」なのですけど)。なので、シリーズ毎に出来がまちまちなのはしょうがないのかも知れませんが。今更か。

 開き直って、今回の有田や矢作、一回だけ宮川などのように「すべり笑い」に近いもので結果的に「すべらない話」にする方法もあるにはありますが、それが連発されるのは番組にとっても本意では無いでしょうし、この番組を支持してる視聴者の評判も良く無さそうです。

 番組の性質上、テコ入れが「メンバー入れ替え」ぐらいしかしようがない(素人・ゲスト投稿はもう諦めたようですし)ので、恐らくあるだろう第 5 弾はどうなるか、今から期待半分不安半分であります。まぁ、「すべらない話」を隠し持ってる芸人はまだまだ居るでしょうから、変にメンバーを固定しようとさえしなければ、可能性はいくらでもありますけども。個人的にも、色んな奴の話聞きたいですし。

 どうせなら、生放送にしちゃってスベろうがウケようが全部そのまま放送とかどうだろう。一定時間毎にメンバー交代で。余計に緊張感増すだけか。