「内P」終了について色々。

http://nagebun.hp.infoseek.co.jp/

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/7912/geodiary.html

 いつも読ませて頂いてるところからリンクして頂くと、本気でビビってしまうわけですが、一応軽くお返事に代えて軽く……。

 結局のところ、「どうして『内P』だけが終わるのか」というのは、所詮部外者なので知る由も無いわけで、推測するほか無いのですが、取り敢えずハトヤさんの仰るスポンサーどうこうの線はカフェンさん同様薄いように思います。

 「ガキの使い」がスポンサー無しで続いたことや、「笑いの金メダル」がスポンサーでピンチになりながらも続いたことから考えても、「内P」はしっかりスポンサー付いていたし、CDやら企画商品やら出せてるわけですから。

 唯一僕らに与えられた情報として「深夜番組のリニューアル」に巻き込まれた、というわけで「テレ朝は『ゴールデンで使えない企画は要らない』って結論なのかなぁ」と書きました。つまり端的に書きますと「一部にしかウケないのなら要らない」ってことですね。

 カフェンさんが疑問視してらっしゃる「ぷっすま」については、内容はともかく一応結果として「多くの人にウケて」いるので免れたのではないかと考えます。聞いた話ですが、とにかく「ぷっすま」は視聴率高いらしく(SMAP恐るべし)、ゴールデン進出の際の視聴率もまずまずだったようですし。

 前に「ぷっすま」にウッチャンが出たとき、「横並びだからよく比べられる」とボヤいていましたが、「ぷっすま」はどう考えても「深夜でしか成立しない」番組であります。「内P」もそういう意味で「深夜だからこそ」の番組でしたので、あんまり考えたくないことですが、「同じ深夜でしか成立しない番組なら、視聴率高い方を残す」と考えたとしたら、なんとなく納得出来てしまう気もします。あくまで勝手な推測ですが。

 他に最近のテレビの傾向として、とにかく「細分化」を否定して「総体」を狙っているように感じます。分かり易いところでは、カフェンさんの書いてらっしゃる「恋愛トーク」や「暴露トーク」、「マシュー」に顕著なヒットゲーム企画シフト、コント番組の軒並み「キャラクター商品化」とかその辺。とにかく「みんな」(これもまた不特定な感じですが)にウケることを目指している感じ。

 その過程で、「『誰が』『何を』『する』か」から「『何を』『誰に』『やらせる』か」にどんどんシフトしている印象があります。上で書いた「ゴールデンで使える企画」ですね。今のお笑いブームが始まる前って、こんな番組ばっかりでしたよね。そこにどんどん戻っていってる感じとでも書けば分かって頂けるかな……不安。

 構成作家高須光聖のサイトに乗ってる渡辺真也のインタビューで、「めちゃイケ」視聴率低迷時の「数取り団」発案のすったもんだが語られてるのですが、今は全体的にこんな感じとでも言うか。「多く」にウケるために、「より面白い」を捨てる話。

 この前の「誰でもピカソ」で、たけしが「大人から子供まで笑える芸はテレビで通用しなくなる」と言っていましたが、それの到来を異様に恐れている印象。最大公約数に集約しようとしてるとでも言えばいいのでしょうか。今のテレビで、ほぼ唯一と言って良いほど「『誰が』『何を』『する』か」な番組だった「内P」は、その流れに飲まれてしまったのかなぁ……と。

 同じような状況として、音楽業界がそうで、「国民的歌手」が絶滅して、ジャンルも多岐に渡って色々な人が色々なものを求める時代にあって、未だに業界は嘗ての「CDバブル時代をもう一度」を繰り返しています。そういう状況が、遅れてテレビ業界にもスライドしてきたのかなぁ、と。

 もうなんか、まとまらなくなってきましたが、個人的にはテレビはもっと色んな番組あって良いと思うし、人それぞれ「観る番組」と「観ない番組」があるのが普通だと思ってますが、そこを考えないで何でもかんでも画一化してしまうのは、何だかここ最近のバラエティの隆盛で忘れかけていた「テレビ業界の悪体質」というのを無理矢理思い出させられたような気分です。

 ただ、こんなこと書いてても正直前に書いたように、「どうしてこんなのが!?」と番組がやたら続いてたり、「面白いのに!」(客観的に観ても)と思う番組が振るわなかったりと、テレビが想定してる「みんな」が「観たいもの」の正体が今回の件でより一層見えなくなりました。

 カフェンさんが「死んでくれないか」とまで書いてる人の言葉を引用するのは気が引けますが、7 月に小堺一機さんのラジオに明石家さんま師匠が出たときに、小堺さんに「舞台でコントをし続けること」について訊かれてこんなことを語ってました。

「今はお笑いブームなのにコント番組になると視聴率が下がるという悲しい状況。本当は、若手がブームに乗ってコント番組を一発当てなきゃいけないのだけど、コント番組のまどろっこしさにテレビトークが勝ってしまった。それは自分達の責任もある(大意)」

 今のお笑いブームって、そういう「見る目」を再育成する(偉そうな物言いですけど)機会だったと思うのですが、テレビは自らその機会を「諦めてしまった」のかも知れません。

 テレビはメディアだけど、バラエティは娯楽産業ですよね。娯楽産業は多様性あってこそ、だと思うのだけど、そうはならずになんかよく分からないところで回り続ける現状は、正しいのかそれともおかしいのか、その判断も付きません。取り敢えず今は、珍しく難しいこと書いてみても結局は、「今一番好きな番組が終わる」という現実が悲しくてしょうがないだけなのかも。あー頭良くなりたい……。

 結論としては、みんな「内村プロデュース」が愛してたってことですね!(強引な上にid:hirotashiさんのパクリ。ホントごめんなさい……)

追記

http://nagebun.hp.infoseek.co.jp/

お笑いブームとは「笑いの女性化」だからです。
(中略)
女性が悪いわけではない。男性が純粋なまでにバカを欲するのが悪いのだ。

 例えば、芸人のライブの観客が圧倒的に女性が多いのはそういうことなのでしょうかね。僕にはその辺の実体(具体的に言うと、「内P」を観ずに「あいのり」観てるような人)が全く見えないので、はっきりしたデータとかどこか調べてくれないかなぁ……。

 取り敢えず、テレ朝は視聴率世代別表を公開してくれ。ホントに、そんなに言うほど「内P」って女性視聴者少なかったのかなぁ? 「女性が観なかったから!」で片付けてしまうと、何だか無益な「犯人探し」のようで釈然としないものがあります。

 あ、今「B'zのファンなんて観たこと無い」と嘯く人の気持ちがよーく分かった……!

 何にしても、コメントでスミスさんが書かれた

「散々やけになって原因をひねり出さないとやってられません」

というのが的確すぎて笑ってしまいました。理由はどうあれ、これだけ推測したくなるような人が沢山居るぐらい「内P」は愛されていたわけだから、終わらせるなら終わらせるで、テレ朝は何か納得のいく「カバーストーリー」をくれ。お願いだから。

 というわけで今夜は内Pスペシャル。

追記・其の二

逆リーーーンク!!
http://d.hatena.ne.jp/sayounara/20050829/1125315259

 「女性について悩んでる」とか書かれると如何にも色男みたいですね!

 ……つまんない冗談はともかく、「高レベルな考察とは程遠い」とバッサリやられちゃってるところに反応するのも無粋な感じがしますが、少しだけ。

 別に悩んでるわけじゃなく、id:sayounaraさんが仰るような状況が、僕は「普通」だと思うのですね。例えば、クラス全員が笑いに対して並々ならぬ情熱を持っていたら、それはそれで異様ですし(笑いの専門学校とかだったら別ですけど)。

 僕が書いてるのは、それが普通なのに、何故テレビは「そこだけ」に合わそうとするのだろう、人にはそれぞれ違う好きなものがあるのだから、それぞれに合わせて色々作ればいいのに、ということです。

 その原因は色々大人の事情があるんでしょうけど、いつまでも前時代的なこと続けてるとあとで取り返しの付かないことになりゃしないかと不安なのです。「内P」終了で、よりその不安が強くなってます。

 あと、「内P」に女性視聴者が少なかったとはどうしても思えないのですね。実際、ネット上にも「内P」について書く女性は沢山居ますし、NO PLANのDVDでも観客の殆どは女性ですし。そういうの観ると、「そんな言うほど少なかったのかなぁ……?」と首を傾げたくなるわけです。

 それに、笑いに興味を示さない男というのも、決して少なくない数居るわけで、あんまり「女性がどうこう」で話を進めてしまうと、色々見落としてしまいそうな気もします。

 匿名希望さんが書いて下さったことに関しては、やはりこれも真実を知る由も無いので、「可能性のひとつ」として考えるのが健康的かなと思います。まぁ、ホントにそんな理由だったらたまったもんじゃないですけど。