「THE THREE THEATER」

 「ウッチャン司会で、用意された様々なシチュエーションを利用して若手芸人がコントを作る」という番組主旨を知って、何年か前にあった「他の番組で余った有りもののセットを使ってウッチャンがコントを作る」という様な番組と同趣旨なんだろうと期待していたのですが、実際は「様々なシチュエーション」というのは本当にタダのおまけで、ネタ番組以上の満足度は得られない、残念な仕上がりの番組でした。

 原因は明白で、「用意されたシチュエーション」が「屋上」「事故現場」などかなりざっくりしているので、「そのシチュエーションに合う持ちネタを披露」(例えば「屋上」だったら高校生の喧嘩コントなど)すれば体裁が整ってしまい、先述の番組で感じたような創作性というか頑張りは殆ど見えず、「いつも観ているネタがちょっと違うだけ」という印象しか持てない、という構造になってしまっていること。種類としては「内P」でやっていた「コントの中で必ずキーワードを言って下さい」に近い。

 どうせなら「むちゃぶり」よろしく、シチュエーションに加えて設定も与えてしまえば、それぞれもっと(見応えとして)面白く仕上がった様な気がします。しずるとか我が家とかジャルジャルとか、どれもこれも「爆笑レッドカーペット」と背景セットが違うだけだもの。だったらフツーにネタ番組として作ってくれた方がまどろっこしくなくて見易かったのに。

 こういうの観ると、つくづく正月の「ウチムラセブン」はよく出来た番組だったなぁ〜と思います。しかも、あれを TBS が放送したという事実に「もしかして初夢だったのか?」と思わずにはいられません。もっとコント方面頑張ってフジテレビさん!