advantage Lucy「ファンファーレ」

まったりジャケ

 amazonによると、「スウェンディッシュ・ポップ」らしいのですが、僕はスウェンディッシュ・ポップがどういうものか分かりません。まぁ、そんなこと分からなくても、充分楽しい1枚です(無理矢理だな)。

 ヴォーカルが、ある周波数帯以下を全部カットしてしまったような、所謂ウィスパーヴォイスというやつで、非常に高くて、空気がいっぱい詰まってる感じの声。

 こういう声をヴォーカルに据えているグループやバンドは、大抵バックトラックも、非常にゆるやかになってたり、柔らかかったりするものですが、advantage Lucyの場合、バックトラックは非常に格好良いバンドサウンド。ベースはうねるし、ギターはカッティングしまくるし、ドラムはとてもヌケのいい音でグルーヴする。一言で言えば、とても“熱い”演奏をしています。更にそこにブラスなども加わって、“熱さ”はどこまでも。

 それなのに、ヴォーカルと乖離を起こさないのは、演奏陣が作っている舞台の上にしっかり立っていられるだけの力を、ヴォーカルが持っているから。高音だけのようにしか聴こえないのに、芯がしっかりあり、けっしてブレないし、掠れすぎず、とても安定している上に、小技も頻繁に使い分け、多種多様な顔を作っています。要するに、こちらも“熱い”のであります。

 曲のヴァリエーションの幅は大きいですが、全てが“熱い”advantage Lucy。とても気に入りました。