「シケイロスのように」

ANGEL

ANGEL

 この盤と言えば、最近まで「夜の煙突」ばっかり選んでは聴いていたのですが、この頃は「シケイロスのように」がカッコよくってカッコよくっておじちゃん参っちゃいます(おじちゃん?)。

 僕は、あまり「声」には頓着しない方(悪く言えば非常に鈍い)なので、あまり意識はしてなかったのですが、僕はどうやら直枝政広の低音とファルセットが異様に好きだ、ということに最近気付きました。逆に、僕がもの凄く頓着するのはギターの音で、ギターの音次第で曲全体の印象を変えてしまい、よく馬鹿にされます。

 そんな僕にとって、この「シケイロスのように」はもう願ってもない!という構成の曲。なんと言ったって、イントロで既にギターソロでお腹一杯になれるし(正直な話、ここだけリピートしたって 30 分はイケる)、歌の方も 1 フレーズ 1 フレーズ、必ず低音から入るし、サビの終わりはファルセットでピューっと飛んでいくのですから。

 そして、そういうエッセンスをごりごりに混ぜてドバーッと放出しちゃうエネルギーの源が、その恐ろしいぐらいの「バンド力」であります。そんな造語出されたってなんのこっちゃ分からないとは思いますが、的確な言葉が浮かびません!曲名の後に「Live Recording」とあるので、多分一発録りなんでしょうけど、その「パワー」というか、「ノリ」というか、「グルーヴ感」というか……とにかく、そういうのがぶわぶわと溢れ出ていて、上に挙げたエッセンス大洪水!みたいな感じで聴いててテンションが上がります。冷静に聞くと、キーは低いし、どっちかというと渋い曲なのですが。

 要は、凄く「ステージが想像しやすい」。聴いてると、なんとなくライブハウスで熱い演奏を観ている気分になりやすい。で、無意味に血中アルコール度数が上がる。酒も呑んだことなけりゃ、ライブハウスも一回しか行ったことないけど。カッコイイなー。