「くりぃむナントカ SP 」

 大木アナ vs 前田アナ最終戦

 がっくりな出来だった「アメトーーク」の SP とは対照的に(っていうか、こっちの方が放送先ですけど)、こちらは「大満足」という言葉では足りないぐらい大満足。唯一不満があるとすれば、折角ノリにノっているのに、間に「ナントカホーテ」が挟まってテンポを崩していたことぐらい。いやぁ、笑った笑った。

 だってさ、アナウンサーやらニセヨン様やらが大活躍する中、おぎやはぎがずっと観客のままなんだよ!? そんなバラエティはアリなのか!? っていうかおぎやはぎはそれで良いのか!?

 まず、冒頭のビビる大木の VTR コントで幕を開ける「エキシビジョンマッチ」という名の「くりぃむナントカ』的オールスター総登場」の時点でお腹いっぱい。真剣な顔で筋肉を膨らまし、バック宙をかまし、ゆうたろうを華麗に投げ飛ばし、「日本のアナウンサーを愛しています」で締めるニセヨン様無駄且つ無意味なカッコ良さ不気味過ぎる登場曲と、何でも盛り上がる筈のプロレス気質の数百人の観客すら一斉に引かせる堀越のりの魔力。段取りさえ上手くできないスーパーの帰りみたいな大久保の心臓。

 細かく分析したら、ここで主役になってるのは素人とワンポインと出演芸人と OL と迷走アイドルですよ? 脇に次長課長とか土田とかくりぃむしちゅーとか一線級が居るのに! 何というカオス!!

 更に、そんな豪勢な前菜の後に登場する大木アナ vs 前田アナ本編は、そのあまりのみっともなさで、そこかしこに溢れるアナウンサーをメインとした企画とは全く別ベクトルで燦然と輝く企画としての魅力(か?)を余すところなく発揮。非常にどうでもいい暴露合戦で、ベッコベコに凹んでいく大木アナ、アナウンサーとして必要な能力を何一つ備えてないのに、「大木アナを引き立てる役」自身唯一の能力を存分に発揮する前田アナ。良いお仕事であった(師匠風に)。

 個人的に笑ったのは、「悪い顔で淫行を働くプーちゃん」「おっさんとしての正体を現すプーちゃん」と続いたプーちゃん T シャツシリーズ最新作「逮捕されるプーちゃん」を見ての大木アナの

何でプーちゃん捕まったの……?

これに次長課長 & くりぃむがすかさずツッコみまくるコンボがなかなかオツでした。

 最後にはしっかり「大木アナ、題名のない音楽会』を 3 月いっぱいでクビになる」という非常にらしいオチが付き(思えばこの企画の発端は大木アナの「かわいそうなドッキリ」であった)、「ナントカ」にまた名作がひとつ生まれたのでありました。ちゃんちゃん。