「轟轟戦隊ボウケンジャー」

 いやぁ、こういう回があるから油断出来んね「ボウケンジャー」は。

 プレシャスを巡って争うゴードムとボウケンジャー、イエローのミスでガジャに奪われるものの、ガジャはあまりのハザードレベルの低さに見切りを付け去っていく。そのプレシャス「初音の鼓」を受け取ったイエローが、試しに一打ちしてみると、微かに幻が……。

 この導入部だけで既に良いんだけど、その後「子供の宝物を探しに行くイエローとレッド」「プレシャスの奉納に向かうブルーとピンク」「子離れさせられたブラック」の三者三様のシチュエーション。イエローはひたすらレッドを振り回し、ブルーとピンクはプレシャスに振り回され、ブラックは心配ばかり。

 振り回された挙げ句、レッドとたまたま通りかかっただけのシルバーはぬいぐるみをさせられ、ブルーとピンクと合流したブラックは再生怪人に振り回される。そこにぬいぐるみ仕事を終えたレッドとシルバーも振り回されまくり。

 そっちの解決法が見つからない一方、イエローはとうとう目的地に到着。しかし、目的の物が地中深くにあると知って、ひとりでダイボウケンを発進・合体させ、採掘開始。「一人では長時間操縦できない」……筈が、目的のものを採掘すると生身で操縦して大暴れ。殴るは踏みつけるわのやりたい放題をした後、特に意味無くアルティメットダイボウケンになって必殺技の応酬をし、ボウケンジャーもボロボロ

 そんなイエローに、保護者のブラックは吹っ飛ばされながら叫ぶ! 「菜月のバカヤローーー!!」。

 ここまでの流れ、殆どテンションが下がらず、もの凄く面白かった。「ダイボウケンの土木作業用途」も描写も良かったけれど、やっぱり巨大でも無い敵を容赦なく粉砕するという過激っぷりとイエローのはしゃぎっぷりが最高。やられてる間、ずっと「イエロー待って!」とか「な……菜月ちゃん……」等、数々のボウケンジャーの悲鳴に彩られてて、画的にも音的にも面白かったなぁ。最後倒れ込んでるし。ロボなのに。

 そういう面白さとは別に、最後のオチも「プレシャス」という設定をよく活かしたオチでなかなか味わい深いものがあって、画的な面白味と話の面白味、両方備わった今回は、今までで 5 本指に入る名エピソードでありました。

 あと、どうでもいいけど「敵を倒すと枯れ葉に」というのが「響鬼」の魔化魍を彷彿とさせて懐かしい気分にもなりました。こういうテンションがずっと続いてくれると良いのになぁ。