「仮面ライダーカブト」

 何だかんだ言っても、やっぱり「ライダー 4 人の同時変身」の画は強い。戦隊の同時変身とは別の意味での興奮があるね。でも、確か天道って影山にはカブトってこと秘密だったんじゃ……? ま、もうやっちゃったんだから文句の言いようがないけれど。

 風間とゴンの再会物語としては、ドレイクグリップを迷わず本物の風間に渡し「見れば分かる」と偽物の風間を看破するゴン、「そう、俺達は最高の……えーと……」「相棒!」「そうそう、それそれ!」とやりとりを経て変身する風間、という一連の場面は良かった。特に後者は、「あぁ、帰ってきたんだな」というちょっとした感慨もあり、ゴンの背後でドレイクになっていく風間には、それまでの経緯もあってカタルシスさえ感じ、いつもの何割増しかカッコ良く見えました。最後のじゃれ合いも良かった。

 それだけに、もうちょいゴンと風間の間には障害が欲しかったな。あまりにもゴンが順調に近付き過ぎて、再会した瞬間のカタルシスが殆ど感じられなかったのが惜しい。「会えそうで会えない」というシチュエーションを繰り返しを経て、ようやく再会できたところで「相棒!」「そうそう、それそれ!」というやりとりが来れば、もっとグッと来たのになぁ、とは思いました。だからこそ、天道にはもう少し賢く動いて欲しかったんだけど、今回はあくまで「キューピット」的役割で「天道」の味は薄く、そこも残念でありました。

 そんな天道と違い、加賀美は同じく「キューピット」的役割でありながら、ネタがネタだけに存在感を出していたのは巧かったな。特に「本物だ!」と主張するドレイクに「その手の芝居にはうんざりなんだよ!」と叫んだとこは良かった。笑っちゃうシーンではあるけど、加賀美のこれまでを考えると切なくなる叫びでもある。

 神代は相変わらず蚊帳の外の存在で、加賀美が風間の死(というワームの工作)に関して「お前にも無関係じゃない」と神代に言っていたけど、正直こちらとしてはどう関係しているのかさえ分からない(同じライダーだからって接点あるわけじゃないしね)。

 でも、なんか先々週ぐらいから神代が面白く感じてきてしまって、死体安置所で空気を全く読まずに「安心しろ、全てのワームは俺が倒す」、サソードの変身を解いて真っ先に出前衣装を着直す、岬を何の前触れもなく「ミサキーヌ」(最初「ミサキング」かと思った)という謎のニックネームで呼ぶ、その岬に看破されて落ち込む顔、と色んな場面がいちいち微妙に笑えちゃうんだよなぁ。何だか許せてしまう。

 そんな相変わらずコメディリリーフ的立ち位置の神代だけど、ようやく加賀美が自分と似た境遇を知ったことで何か動きがあるんかな。神代にトドメを刺すのは加賀美だったりすんのかなぁ……。

 で、そんな感じで観ていて「いつになったらハイパーフォームになんのかなぁ……」と思いきや、何故かワーム退治するカブトとガタック突然場面転換(もっと自然に繋げばいいのに)、そこに現れるもう一人のカブト!! しかもハイパーフォーム!!! ここはテンション上がったなぁ。まさかこんな登場とは。

 その正体は、劇場版を観ている身からすると大体想像は付くのですけど、こいつがどう絡むのか、もの凄く楽しみ。やべぇ、久々に「カブト」の引きでテンション上がったよ。

 ……と思いきや、次回予告では闇の包丁がどーたらこーたら、地下室で謎の料理対決、更に久々の本田博太郎さんの夏目漱石ボイスと、その引きから僕が期待した展開が 1 mm も入ってないのでびっくり。そんな回の前に、こんな引き置かないでくれよ……。