「牙狼〈GARO〉」

 やたらパントマイム上手いなぁ……と思ったら中村有志さんじゃないですか。そりゃ上手いよな。しかもこの間「さんまのまんま」で観たばかりだし。おお、タイムリ〜。

 しっかしグロかったなー。「人の本心を暴く怪人」自体はどの特撮にも一回はやる話だと思うけれど、まさかの殴り合いに首絞め合い、凶器乱舞の阿鼻叫喚地獄絵図。終いには人間同士の喧嘩で口から泡吹いて死んでるし。ん〜流石深夜枠。

 更に凄いのは、これをヒロインにもやらせるというとこね。「金よこせよ金!」とか言っちゃったよヒロイン。首絞めちゃったよ絞められちゃったよヒロイン。そこは普通、巻き込まれる側だと思うが……。しかも、ヒロインの「こるぁ!!」の凄み方が妙に堂に入ってたのもまた。大丈夫か。色々と。

 でも、そんなインパクト満載でも、結局落としどころは「人間なんて醜いんだー」だからなぁ……。こうすると、逆にその取って付けたような結論が癪だよ。最後の「ピエロが見てる」って画にしても。なんかすごーーーく作ってる側の「俺、実はこんなの作りたくないんです。もっと別のこと言いたかったんです」という未練というか言い訳というかが透けててなんか嫌だなーと思ってしまうだすよ。

 そんな中、面白かったのは中村さんと黒コートのパントマイム殺陣。あれ、中村さんが振り付けたのかなぁ? 凄くよく出来てた。ピエロが飄々としてて攻撃が当たらない、ってのとパントマイム自体が攻撃になる、っていう今までにない動きが観ててちょっと楽しかった。おお、クリエイティブ〜(?)。

 その後に出てきたホラー本体は、CGの質自体は「響鬼」とは雲泥の差なんだけど、そのデザインと喋り方の所為でNHKの教育番組のキャラクターにしか見えなかったのが残念。まぁ、それが逆に不気味、って見方もあるかも知れないけど、僕は拍子抜けしてしまった。入りがあれだけ不気味なんだから、最後までそこ通せよ、的な。銀牙と黄金騎士の攻撃はカッコ良かったけどね。特に銀牙はフォルムがカッコ良すぎ。

 ストーリー的には、ヒロインの父親と白コートの父親との繋がりを示すに留めた感じ。一話完結形式で、毎回しっかり作ってあるから忘れがちだけど、ストーリー的にはそんな前に進んでないんだよなぁ。二話完結で丁寧過ぎるぐらい丁寧だった初期の「響鬼」もそうだけど。これを良しとするかダメとするかは、最終回の落とし方如何なので今はどうとも言えない。「エウレカセブン」みたいにグズグズしてたら別だけど。

 そんな中、来週予告の最後にはなんか素敵なシーンが……。え? ヒロインと白コートってそういうことにするの? マジで? これも深夜枠ならではなのかね……でも、そうするといよいよヒロインの最期をどうするか興味津々。ちゃんと落としてくれよ〜。明日夢くん、持田、あきらにもこんな楽しみが欲しかったなぁ……とふと思った。まぁ、そう思う人は少ないと思うけども。