「仮面ライダードライブ」

魔進チェイサーが、紆余曲折を経て仮面ライダーとして覚醒する回。

魔進チェイサーというキャラクターが登場したときから期待されていた展開がようやく訪れた! ということでものすごく期待していたのだけど、なんだかすごい雑だった。

ここ数回、ずーっとフラフラしてただけのチェイサーに、ようやく霧子(&進ノ介)とハートの間に立たされて葛藤の入り口に……と思ったらあっという間にチェイサーは蚊帳の外になり、なんとか介入してドライブを吹っ飛ばしてまさか! と思いきやハートがものすごく親切な洞察力を発揮してチェイサーに判断を委ねる。そしてまたフラフラするチェイサー。そしたら都合良くベルトが完成し、街中から河原まで無人走行してきたバイクに雑に括り付けられたベルトを見て、なぜか居場所を察知してナイスタイミングで登場、そして先ほどの葛藤から何も事件が起きてないのに決心し、変身……。

ご都合のオンパレードは置いておくとして、せめて「仮面ライダーになる心理的過程」は丁寧にして欲しかった。こんななし崩しじゃなくて。まぁ、それは「とりあえずやってから」これからじっくり描きますってことなんだろうけど、でもそれって「変身」じゃなくね?

結局、手段と目的が逆転してるというか、「人間を守る」という使命が先にあって仮面ライダーに、というのが理想なのだけど、今回の場合「取り敢えず仮面ライダーになってから使命を考える」という順番なので、盛り上がりようがない気がしたのです。「ドライブからハートを守る」という行動をしたなら、それに対するアンサー的行動がないと成立しないでしょ。あれの後に「人間を守るのが本能だ」と言葉だけで言われても説得力ゼロなんですけど。っていうか、あの行動自体の代償もないし。

せっかく、ギミック的にも魔進チェイサーの鎧が弾けて仮面ライダーチェイサーに、という仕掛けがあったっぽいのだけど、ドラマとしての変化が全くなかったので、ただの視覚的な仕掛け以上の意味になってなかった。本当に初回から期待してた展開だったので、思った以上にがっかりした回でした。