「超能力研究部の3人」

劇映画部分とフェイクドキュメンタリーが合わさった、ちょっとだけ凝った映画。でも、フェイク部分が完全にフェイクではないお陰で、劇映画部分が投げたボールをフェイク部分が受けたときに生まれる言葉や表情が、逆説的に異様なリアルさで迫って来る。お陰で、見終わってしばらくしてもあるシーンでの橋本奈々未さんの表情がなんだか心にこびりついている。あるシーンで生田絵梨花さんが吐露する心情を聞くと、「乃木坂って、どこ?」で地獄の卵焼き作ったり「誘惑」を熱唱したりしているのに……とあの番組の味わいが増しました。

で、そういう映画の構造とは別に、何が「虚」で何が「実」かなんてのは、結局誰にも分からず、当事者や観てる側が「信じる」ことでしか判断し得ないのだなぁ。そういう覚悟を引き受けて、尚も「アイドル」であろうとする3人の、「本当の」笑顔を引き出したラストカットは、今まで観た中で一番意味がある「カット!」演出でした。どうしようもなくアイドルを描いてしまっている、アイドル映画でありました。