「花咲くいろは」(終)

 多分、原因は僕の見方にあるんだと思うけれど、やっぱり頑張って観続けたものの、観終わった後は「コレジャナイ」感がスゴかった。

 そもそも最初見始めた頃、自分の思い込みにも等しい「特性」を「私ってこういう信念がありますから」とのたまって行動する主人公の姿に、「あ、このアニメはまだ社会的に“幼い”主人公が、望まぬ「仕事」を半ば強引に与えられることで自己の矮小さに絶望しつつも、それでも社会にコミットするために奮闘するアニメなのだ!」と勝手に勘違いして勝手に期待値を上げてしまったのが失敗だった。

 僕がこのアニメの白眉だと思ったその主人公の姿は、「空気の読めない奴」の一言で片付けられてあっという間に肯定される。その後は、仲の良い人たちが、決まりきった結論を出すのを引き延ばしている間、ひたすらにイチャイチャする様子ばかりにしか、僕には見えなかった。特に、女将さんに関しては残念。結局、主人公にとって「超えるべき存在」ではなく「目標」になってしまった。現状全肯定。そういう作品があってもいいとは思うけど、決定的に「葛藤」が作品通して希薄で、正直中盤からかなりツラかった。

 主人公始め、登場人物たちはみんな一応悩んでいる素振りは見せるんだけど、でも結局みんながみんな、その人のことを好きなので、少なくとも僕はそこにドラマを感じなかった。絵はずっと奇麗でしたけどね。