(新)「仮面ライダーフォーゼ」

 傑作「運命のガイアメモリ」の監督と、傑作「天元突破グレンラガン」のライターがメイン、という前情報であまりにも期待値が上がり過ぎていて、いざ見始めたら

「あれ……なんか宇宙のCGショボい……
「あれ……なんか制服の生地、安っぽい……
「あれ……なんか若手みんな滑舌悪くて何言ってるか分かんない……
「あれ……なんか重力をスローで演出ってダサ……
「あれ……なんか『キター』の今更感、スゴ……

と次から次へとガッカリポイントばっかり溜まってしまってちょっと個人的にスタートダッシュ失敗の感アリ。フォーゼのビジュアルを初めて観たときのガッカリを通り越しての絶望感に満ちた状態で観ていれば、もうちょっと面白く観られたかも知れない。

 特に宇宙周りのビジュアルのショボさと演出のダサさには「 40 周年作品で、東映で、看板作品でもこのレベル……」とちょっとショック。なのに仮面ライダーフォーゼ | 東映[テレビ]では「かなりリアルタッチで表現した宇宙」とか書いてて「ふざけんなよ……」と思ってしまいました。「仮面ライダーカブト」劇場版の宇宙演出は、もうちょっとマシだったような気がするけどなぁ。

 お話にしても、お芝居のテンションが上滑りしてる感ありありなのと、(特に食堂のシーンに顕著な)各種小道具・大道具から漂うそこはかとない手作り感(張り紙とか、酷くないか!?)も合わせて、何か「ディケイド」とは別の意味でのイヤーな子供騙し感が漂いまくっていて、今後がちょっと不安になってしまいましたよ。

 でも、いざベルトを手にしてからの展開は、ヒロインの正に「天真爛漫」という感じのノリノリ変身煽り(「『変身!』って言って、こう!」とか「そう、それがポーズ!」とか笑った)もあって、ようやくお話のテンションとお芝居のテンションが釣り合って、ようやく楽しく観られたところで次週へ、という感じでした。このヒロイン、「楽しいこと」が起こったときのはしゃぎ方がとてもかわいいので今後注目。「W」の所長と違って、平時がそんなでもないのがミソです(所長は所長で好きですが)。

 フォーゼ自体のビジュアルは、映画で観たときに「スイッチからの装備」というギミック大好き男の子のハートをがっちり掴むギミックと相まって、今やそんなに気にならず。むしろ、初回でいきなり炸裂した必殺のドリルキックのとき、なんて叫んでんのかよく聞き取れないことの方が問題です。なんて言ってたの? あれ。

 今後、「宇宙」という壮大過ぎるテーマに対して、「学園」という小さ過ぎる舞台をどうマッチングさせていくか、そして出演者がどう成長していくかに注目して、しばらくは静観しようと思います。上手く転がってくれれば、「ボウケンジャー」みたいに「わくわく」な終盤に持っていってくれれば万々歳な感じ。

 ところで、どの辺で「40周年」をやるんだろう? 「カブト」式の「記念」なのかな? 途中でスーパー1出てきたりしないんだろうか……。