(新)「侍戦隊シンケンジャー」

 最初、スーツのデザインを見たときは絶望感で死にそうだったのですけど、現在 3 話まで見終わった今、あら不思議。

  1 分 1 秒余すところなくツボなんですけど。

 まず、単純にチャンバラがカッコ良過ぎる。単に「平成ライダー」とかでやっている「剣を振り回して捌く」タイプのチャンバラじゃなくて、「ひとり斬って止まって振り返って走る!」というような「見得」を大いに意識したチャンバラ。ちっちゃい頃から「暴れん坊将軍」やら「御家人斬九郎」やら、それこそ伊吹さんが出ていらした頃の「水戸黄門」なんかを観て育った身としては体中から粟吹くカッコ良さです。

 それに付随するアイテムもまたカッコ良いんだよなぁ。「装着する鍔で能力を変化」というアイディアを考えた人には一杯奢りたい気分です。リアリティ無視で登場する金屏風やら旗やら黒子やらも振り切れ過ぎて早くも「様式美」の域。

 キャラクター描写も素晴らしい。戦隊内の主従関係を、招集直後のカゴ周りで全部済ませた辺りはちょっと凄まじかったし、特にブルーの、ともすれば極端になりがちなキャラクターを初回にして「愛すべきキャラ」として安定させているのも見事という他ない。レッドの「殿」キャラクターも、「カブト」の天道とはひと味違う王様キャラで先が楽しみだし。

 そんで、何より敵組織が渋過ぎる。だって拠点が廃船よ? 幹部は飲んだくれ三味線弾きよ? センゴク」とかに出て来てもおかしくないとは思いませんか。しかも、人間達を苦しめると、その苦しみで川の嵩が上がるんよ? どうよこの素敵設定。何か、「どんどん人間苦しめろ!」とか思っちゃうよね(不謹慎)。

 初回でここまでグイグイ来た戦隊って、ちょっと近年では記憶に無い。あまりにもグイグイ来過ぎて、今後が正直心配なのですけど、取り敢えず今は「うひょー!」とか叫びながらチャンバラシーンをリピートします。うひょーい!

 ……それにしても、和風戦隊は主題歌に擬音かダジャレを入れる決まりでもあるんだろうか? 「カクレンジャー」然り、「ハリケンジャー」然り、そんで「シンケンジャー」然り……。