(新)「仮面ライダーキバ」

 何というか、「あぁ、そう言えば平成ライダーってこんな感じだったな……」と、色々と嫌なことを思い出す初回で御座いました。

 記号的なキャラ設定、変に多い登場人物、そしてとにかくこれでもか! と言わんばかりの思わせぶりなストーリー……加えて、「キバ」がもの凄いのは、これらに一切の説明が無いということ。「仮面ライダーキバ」が何者かは勿論のこと、敵がどういう奴なのかも説明無し、どうして戦ってるのかも説明なし、そもそも全ての登場人物に関する基本情報自体がゼロという徹底ぶり。

 更に現在と過去を全く説明無しで行き来させる構成も手伝って、果たしてこれを事前情報ゼロで観た場合、どれほどの人が次回への視聴モチベーションを保てるのだろう? と疑問でいっぱいです。しかも延々 20 分以上そんな調子だし、不親切にも程があると思うなぁ。「電王」で時間軸解説していたときもそうだったけれど「どうせ皆さん公式サイト読んでるんだから、そっちで補完お願いします」みたいな態度はイカンと思うぞ。
少なくとも僕は全く引っかかりを感じなかった。

 「謎を残して引っ張る」という手法は別に否定しないしあって然るべきなんだろうけど、今回に関してそれが達成されていたのは「変身パーツ(声が銀魂』の銀さん)に噛みつかれて変身してたってことは、もしかして人間じゃないのかな……?」と思わせた変身シークエンスだけ。あとは単なる自家中毒みたいなもんで、観るに堪えない代物でありました。

 デザインに関しては「電王」がアレだった所為か、初見からカッコ良く見えて、且つアクションもド派手なキックが非常にカッコ良かったので大分好印象だったのだけど、それ以外があんまりにも観てる側の好意に寄っかかりすぎなので、何だかそこだけ変に浮いてしまっていて非常に勿体なかったです。だって、「何故戦うのか?」が登場人物の誰一人として示されないので、勝とうが負けようがカタルシスが生まれないんだもの。悪い癖だよホント。あ〜あ。

 これからどういう展開で押していくのかはさっぱり見当付かないけれど、取り敢えず今の心境としては「不安」の一言。まぁ、「電王」も最初の頃はそんなこと書いてたんだけどさ……。