「明石家サンタ 史上最大のクリスマスプレゼントショー」

 例年、明らかに鐘が鳴らないのに「待って」「お願いします」などと粘る素人さんにはどうしても「タチ悪いなぁ。観ている人がどう思うかぐらい想像できないのかなぁ」などと偉そうに思ってしまうのですが、今年一番タチが悪かったのが小島よしおだったのでどうしようかと思いました。

 要約すると「どうせ一発屋だから来年消えちゃう」という、まさかの予測不幸で挑戦してきた小島は、特にテンションを上げるわけでもなく(さんま師匠からのネタ振りも悉く不発)……と言うより終始本気で切羽詰まった声で、何となく笑えない空気を醸し出し、更に「お前は今年不幸じゃなかった」というさんま師匠の至極真っ当な指摘に「お願いしますよ」と素人同然の粘りを発揮。結局、何のオチもなくフツーに切られる、という(当人にとって)最悪のオチがついて終了。

 まぁ、粘っているときに放った

「きっと税金も払えなくなっちゃいますよ!!

というのはちょっと面白かったけれど、具体的なエピソードは皆無で、ただ勢いと雰囲気だけで鐘を慣らそうとした彼の姿勢をどう観たらいいのか僕には分かりません。と……取り敢えず頑張ってください……。

 「妻に刺された上に家出された」人や、「陰毛を収集する父」もなかなか凄かったけれど(前者は本人の無意味な口調の明るさもナイス)、やはり今年の MVP はタカアンドトシ・タカかな。明らかな作り話や、下手すぎる演技などを織り交ぜてきたり、本気の不幸を持ってきたりするしょんぼり素人さんの中にあって、割とヘビーな不幸ながら泣こうが叫ぼうが未練たらしかろうが全部面白く仕上がるその姿(声だけだけど)に、「見たか、これが芸人という人種なんだ!!」という心意気を垣間みた心境です(言い過ぎ)。

 あと、「ケータイが全く鳴らない」「最後の着信が 6 月」という男性の相談が、相談した後「八木さんファンです」ネタをしっかりやったためにさんま師匠に

テレビばっか観とんのやろ

と言われていて、「あれ? これ僕か?」と多少混乱致しました。深夜の脳みそって怖いね!