「ULTRASEVEN X」(終)

 もうひとつあったよ今期観たドラマ。今期……というか今年ダントツのワーストワンで御座います。

 確か全 10 話ちょいだったと思いますけど、 1 話たりとも面白くなかった。ショボい CG 、ショボい世界設定、ショボい演技、ショボいストーリー、ショボい癖にカッコつけ、何もかもショボい。最低最悪極悪非道。特に、無意味に壮大な前振り(あらぬ方向を向いてどっかの屋敷のフツーの庭で語らうイメージシーンの壮絶な恥ずかしさはある種一見の価値あり)で登場したラスボスの、あまりにショボいこと!! 散々偉そうなことを言った割に思いっきり実体がある上に、何でもないところに住んでて、やったことと言えば鳴くだけ。何それ? っていうか、あの監視システム照準甘すぎるだろ!!

 世界観の設定は、無意味に壮大な割に、面積にして東京ドーム二個分ぐらいのスペースでしか話が展開されないので、尋常じゃないぐらいのスケールの小ささフツーの廊下の多いこと多いこと。

 なのに、殆どを台詞で説明するのでダイナミック感もゼロ。更に、登場人物が異様に少なく(レギュラーが 4 人で、ゲストは毎回ほぼ 1 〜 2 人)、しかも全員若手なので全体を締める存在がおらず、終始雰囲気グダグダ。というか、そもそもストーリーの大半が全く盛り上がらない内に登場人物が勝手に驚いて勝手に解決するので、のめり込み様がない。

 宇宙人のデザインは東急ハンズで買ってきた扮装みたいな奴が大半を占め、残りはアメンボが空を飛んだり、意外性ゼロな上に意味不明というデザイン。ねぇ、何をケチっているの?

 アクションのショボさも相当なモンだったなー。何か「リアル志向」を目指してたらしいですけど、その結果がなんと「等身大戦闘」。わーお、ウルトラシリーズ」の醍醐味ゼロ!! しかも、その等身大戦闘もゆ〜〜〜っくりしたワイヤーアクションショボーい CG の合わせ技なので、「ゲキレンジャー」や「電王」に 30 歩ぐらい譲る内容。もう全く意味が分からない。

 一応出てくる巨大戦闘も、相手が CG だから組み合いができない為にほぼ全て一瞬。もしくはほぼ止め絵。え〜と、お前バカ? 一年掛けて、過去の色んなライブラリーを利用して「メビウス」を作った経験は何だったの?

 まだまだありますけれど、しかし、ショボくて面白くないだけなら「ハタチの恋人」だってそうなんですよ。アレもひたすらショボくて面白くなかったから。こいつがダントツのワーストたる所以はウルトラセブン」を都合良いとこだけ利用すること

 「ウルトラセブン誕生 40 周年」で何かしよう、という企画意図は理解する。「メビウス」は(作品の質はともかく)それで成功したわけだから。ただ、出来上がったものがコレになる理由って何? 特にオマージュを感じさせるわけでなし、セブンの作品テーマを受け継ごうとするわけでなし(途中、どっかで観たような深みゼロの書き割り台詞はいっぱいありましたが)、何一つ「セブン」の後継作品である意味を見出せない。

 そのくせ、最後の最後にはしっかり「セブン」の威光を利用。あれか、ダンとアンヌ出しときゃお前ら満足だろ、的な? このクソブタ野郎がっ!!!! これまで散々退屈なもん見せられて、最後にダン出てきテ「うわー感動したー」ってなるかボケェッ! 大体、ウルトラセブンが消えていく時みんな無視してんじゃねーか!! 何でそこで地味だよ!! 最後だけ頼ってんじゃねーよ!!! ダンとアンヌに損させてんじゃねーよ!!!!!!! ふざけんなバカ。

 散々好き勝手やった上(しかもその「好き勝手」の内容は完全なる自己満足で何一つ面白くないという惨状を晒した上)に、最後の締めくくりだけブランドの威光を利用する、最低最悪の続編の見本。まだ、「ライダー魂を受け継いでない」とうるさ方から言われ続けながら続けている「平成ライダー」の方がどれだけ志があるか。これに携わった人間全員一回寺に修行に行け。滝に打たれろ。そして風邪引け!!!!

 久々に「観ていて腹の立つ作品」で御座いました。次のウルトラシリーズはいつかなぁ……作られても、またこんなんなのかなぁ。どうしてこんな風潮になっちゃったんだろ、ホント……。