「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」(終)

 結局、今クール最後まで保ったのはこれだけでした。しかも、大して面白いとも思ってないのに! 最終回の 2 時間スペシャルに至っては、あまりの冗長っぷりに早送りを駆使したぜ!

 最後まで脳が腐っているとしか思えない「イケメン♂パラダイス」という、うんこの様なサブタイトルに相応しく、浅〜いところをフワ〜ッと流れていくドラマであったことは間違いないのですけど、「堀北真希さんのかわいさ」「特撮 OB の活躍っぷり」「生田斗真の奮闘ぶり」の個人的三本柱が圧倒的に強固であったが故、何か観続けてしまった、というのが振り返っての主な感想。

 堀北さんはもう最強だった。佐野を見上げるラストシーンでの表情なんか殆ど凶器である。あのちっちゃい体躯でやたらおっきく動く様もいちいちかわいい。加えて様々なコスプレと、その方面では大喜びの様相でありました。あと、文化祭の出し物を決めるシーンで、「机に肩肘付いて寄っかかる」姿勢がベテラン司会者みたいでちょっと面白かったです。

 特撮 OB は、特に「カブト」コンビの予想外の比重の多さに感動すら覚えたなぁ。二人とも何だかんだでしっかり主要人物のひとりだし(ストーリーのメインを張ってる回すらある)、物語を立派に引っ張っていた。天道に至っては時たまモロに天道になる瞬間があって、キモチワルイファンであるところの僕は、その度に「天に指を掲げるとか、そういうサービスしてくんねぇかな……」と変な感じでドキドキしてました。まぁ、一時期の金子昇までとは言わないけど、少しくらいはそれっぽいことやって欲しかったな、キモチワルイファンとしては。急におばあちゃんの格言を持ち出したり、急に頂点に立ちたがったり。

 生田くんは、「このドラマの最大の立役者」であることは多分誰も異論無い筈。それくらい光り輝いていました。あまりにも光り輝き過ぎて、視聴者の 9 割が「何かの間違いで中津とくっつかないかな……」と思っていたことは、想像に難くない(マジで)。少なくとも、コメディの場面で悪ノリでは無いちゃんとしたコメディ演技が出来ていたのは、このドラマでは彼だけであり(「俺はホモじゃなーーーい!」はその意味で名場面)、それがドラマ全体の支柱になっていたことは確か。何かがガチッとハマった役者の強みを、リアルタイムで観られたことを幸運にすら思います。

 そんな感じで、細かい部分では楽しみは多かったのですけど、冒頭に書いた通りドラマとして観たときには、凄〜くフワ〜ッとしていたのが非常に残念。悪ノリがどんどん肥大化し、それがドラマに全く貢献しないという作劇というか構成は、どう考えても失敗。佐野の親子問題よりも悪ふざけの方が時間が長いなんて、普通に考えて有り得ないし、急に問題が発生し、取って付けた結論で解決という「連続ドラマ」としての作り方も最悪。そう考えると、悪ノリしつつも決して踏み外さなかった「のだめカンタービレ」は奇跡的ですらあったのだなぁ、と今更ながら感心致します。

 まぁ、「イケメン♂パラダイス」という腐った冠を被せられたのにも関わらず、出演者達は持てる限りの力を発揮したと思うし、今後のアピールにも充分なったと思うので、今後益々の活躍をそれぞれしてくれると、その「きっかけ」を見守れたという意味でこの 12 週も無駄でなかったと思えることでしょう。頑張って頂きたい。

 あと、「お黙りこまり」を主に放っていた子(最後に神代とくっついた子)が 1 話からずーっと気になっていて、最終回後に一念発起して調べたら「松田まどか」さんであるとすぐ判明したので、上記に加えて松田まどかさんも応援していきたい所存です。