「アメトーーーーーーク! SP」

 3 時間スペシャルなんですけど、企画を詰めすぎた所為でひとつひとつがレギュラー放送より短いという、割と本末転倒なことになっており、内容もそんな感じに相応しい感じに仕上がっていて、「ホントにスペシャルだと覇気無くなる番組ですよねー」とイイ笑顔で誰かに語りかけたい気分になるスペシャルでした。

 「この芸人がスゴい」は前のスペシャルの低調っぷりをそのまんま残し、「ドラえもん芸人」「ドラゴンボール芸人」に至っては、情報紹介だけで 8 割という衝撃的構成に愕然。いやいやいや、「○○芸人」言うからには、それぞれ力の限りプレゼンしなきゃいかんのでは? もし、これを見てそれぞれの作品に興味を持つ人が居たとしても、それは作品自体の力であって、決して今回のプレゼンターの面々の力でないことは断言出来る。

 っていうか、基本構成が「『○○という話がある』と誰かが話す」→「実際の映像を観る」だけって!! やる気ねぇのかよ! それなら NHK で充分だよ!! 最後の「悟空 vs 和田アキ子」はちょっと面白かったけど、それは詰まるところ単なる接待であって、番組の面白さには全く貢献していない。

 「華の 47 年組」は今までと同様、年代掠ってない僕みたいな人間は、スザンヌ小倉優子(声似すぎ)よろしくネムになるしか無く、頼みの綱(?)のケンドーコバヤシも奮闘(「俺のお袋は書道をやりながら客取ってた」)空しくノスタルジーの渦に飲み込まれ、最後はおっさんが歌う青春ソングに大騒ぎするおっさんという、悪夢のような恥辱映像。あのフワ〜ッとした空気と言ったら!!

 番組的には一番のハイライトだったと思われるイジリーの楽屋訪問に関しても、イジリーのプロの変態芸よりも、訪問されている側の絵に描いたようなリアクション(特に、現在わざとらしいリアクションに関しては右に出る者が居ない矢口さん)の方に嫌な意味でのプロを感じてしまい、主旨が何だか分かんなくなってしまったですよ。

 「誰しも、骨の髄まで変態にはなれないのだ」という結論を胸にしまい、何故かほぼ全員が出っ歯だった江頭のモノマネだけを編集で残し、あとは残暑の悪い夢だと思って忘れていきたいと思います。「面白いところは深夜の未公開で」っつーのはいい加減禁止にしようぜ……。