ドラマ最終回いっぱいありましたよねー。

 いやぁ、ホントにね……もう新ドラマもボチボチ始まってるんですけどね……新垣さんかわいかったよね……。そんなわけで、前クール、1 話から最終話まで観たドラマは 5 本。毎度のことながら、オーソドックスなチョイスで申し訳ないっす。以下、簡単な感想など。

帰ってきた時効警察

 とにかく中だるみがもの凄かったのが残念極まりないです。特に温泉の回と五つ子の回はもう「何故?」の一言。一体、「時効警察」を観ようと言う人の中に「フツーの事件をフツーの方法でフツーに解決する」ドラマを期待する人がどれくらい居るっていうんだ?

 結局、「時効警察」という「枠」を意識し過ぎてるのに、更に『今までにやってないことを』ってことまで意識し過ぎていて、結果的には散々なことになったんだと予想。一番「時効警察」を知っている三木聡やらオダギリジョーやらが一番「時効警察」という枠を意識していない作り方をする、というのが皮肉過ぎました。役者的にも、ゲストの当たり外れがデカく、演出とダブルでスベった回は目も当てられなかったのは本当に悲しい。個人的には、 1 話と最終話、そして期待大で観たケラ担当回(犬山犬子最高!)以外は殆どそんな感じ。

 そんな中、三日月は大化けは楽しすぎました。催眠術に掛かってストリートライブを敢行する回やらひとり現場レポートやらは、もう神懸かり的。すげぇなぁ。新規参入の小出早織さんも、出番は少ないながらもしっかりとポジション確保していて、今までの「夏帆さんの相方」という(個人の勝手な)認識を覆されました。

 あと、オダギリジョーの演出回が、夢幻世界になったりメタ視点になったりと「いかにも」な世界観だったのが内容以外の部分でちょっと面白かったです。

 これからはどうすんのかな。もう 1 クールやるのは……というか「シリーズ」で押すこと自体が今回で大分キツそうなことが分かったので、やはり「古畑」みたく定期スペシャルか? でも、 2 時間でやるドラマでも無さそうだし……取り敢えず、何かしらの形で続くといいな。

セクシーボイスアンドロボ

 丸々 1 話がお蔵入りという不遇な目に遭いつつも、描くべきことはきっちり描いて魅せてくれたのには素直に完敗。完敗なんですけど、こちらも(お蔵入り関係なく)中だるみが凄まじかったのが残念。特に学園ホラーの回は目を覆いたくなる酷さ。正直、同じドラマとは思えない程の。

 だってさ、「学校で数々起きる怪奇事件」「その中心にはある生徒達の儀式が……?」という二つのファクターを与えられたら、あなたは一体何を想像しますか? その想像した内容が寸分違わぬ形で再現されるんですよ? 「あぁ、きっとこいつが黒幕なんだな」と思ったらホントにそいつが黒幕だし、「あぁ、きっとこういうインチキしてるんだな」と思ったらホントにそういうインチキしてるし、一体どうしてこの話に GO サインが出たのか本気で分からない。「人生の喜び」を、看板のちょっとした汚れだけで五臓六腑に染み渡らせてくれたドラマと、そんなお粗末なドラマが同じ枠だとは俄には信じ難いです。

 ただまぁ、好意的に解釈すれば、このドラマは全編に渡って人生講釈じみたとこがあるので、それを懇々と 11 話続けられるよりは、途中途中で「動」な話を組み込んだ方がベターだ、という考え方だったのかも。そのバランスが明らかに歪だったのだけが本当に惜しまれる。

 勿論、締める回はしっかり締めてくれていたので、良いドラマには違いないんですけど。2 話の「それが……恋愛か」に代表されるようなズバーーーッと来る感じも凄かったけれど、個人的にはどーでもいいようなことでニコとロボが、ニコと社長が、ロボと名梨が、フッと笑い合う、そんな何気ないシーンに込められた多幸感というか、普遍の美しさというか、そういう感じがキュンキュン来ました。最終話の締めも美しかったな。

ライアーゲーム

 前半、「ナオがどうしようもないピンチに陥ったとき、ベストタイミングで現れるアキヤマ」という、スーパーヒーローそのまんまカタルシスは大変気持ちよかったなぁ。特に、フクナガが延々演説した後、「フッ……」で始まるアキヤマの逆転劇は失禁するかと思うぐらい痺れました。

 ただ、その後回を重ねる毎に「アキヤマと愚かな敗者」という構図が決まりきってしまって、その辺は残念。こういうカタルシスって、やっぱり両者の魅力が「双璧」になってないと面白くないんですよね。ヨコヤのショボさ(つーか、あの銀髪ヅラはどうにかならんかったのか……)は特に残念でした。

 ナオが頭角を現し始めてからは、そのカタルシスからどんどん離れる代わりに、何かどこかの 2 時間ドラマのようなテーマ性を帯び始めてしまい、「それはそれで……」とも思えたし、「それでいいのか……?」とも思えたし、非常に複雑で御座いましたよ。あ、でも最終話は長すぎる上に 8 割が退屈というのは異論御座いません。

 あと、戸田恵梨香さんが全編に渡って神懸かり的にかわいかったことに関しては最大の賛辞を贈りたいと思います。

プロポーズ大作戦

 お話的には 10 年近くを描いてる筈なのに、長澤まさみさんがずっと真ん中分けだったのが非常に納得行きません。何故! 前髪を! 作らないのだ!!!(どーん)

 中盤から終盤に掛けては殆ど単なる繰り返しだった上に、同級生がタイムスリップを何の前触れも疑いもなく信じるというズッコケ演出も加わって、正直かなり辛かった。それなのに何故観続けたかと言えば、いつかは真ん中分けじゃ無くなるんじゃないかと………………。

 最終話、これ以上ないタイミングで現れて、長澤さんに助言を与える妖精さんには痺れました。

バンビ〜ノ!

 最初に「最終話まで観た」と書いたけれど、正確にはこれだけ観てない。観る前に消してしまいました……。

 個人的に、原作のように熱い熱い展開を期待していたのだけれど、このドラマが選んだのは新社会人教育ドラマで、全く以て肌に合わなかったのです。評判の良い大人三人組のトークも、僕にとってはたまらなくこっ恥ずかしいシーンでしかなく、結果僕には何のフックもないドラマになってしまいました。

 例えば、ドルチェ編に限って言うと、原作だと伴は織田への不信から、織田の元弟子との出会いを通して信頼を深めていき、最終的にコンテストで鳥肌ものの演出を魅せてくれるわけですが、ドラマでは「ドルチェ」というものの奥深さに感動してそれっきりで終わってしまう。何故か伴はティラミスを作り、何故か織田はそれを採用。熱さも何もなく、ただ何となく「いい感じの成長物語」に仕上がったこの感じ。

 それはそれで良いんだろうけど、個人的には何にも満足できんかったのです。残念です。もっと、こう、ぶわぁぁぁぁぁぁぁっ〜〜〜〜っと来る奴が観たかったの!!