「轟轟戦隊ボウケンジャー」

 う〜ん……やっぱなぁ。最後の最後、「もうダメだ!」ってときにやってくるゴーゴーボイジャー、そして「冒険の始まりだ!」と宣言するレッド、というのは鳥肌もんだったけど、それ以外はボウケンジャーの悪い癖が出たみたいな感じでスッキリしなかった。

 「デカレンジャー」は、本部はアンブレラに奪われて、それを取り返すべく、仲間がひとりひとりレッドを最上階に送るために体を張っていって、最後の最後でレッドがアンブレラに立ち塞がって変身! という過程が異常に燃えたわけですけど(どれくらい燃えたかと言えば、こうやって思い出しながら書くだけで鳥肌立つくらい)、今回のボウケンジャーの場合、いとも簡単にバラバラになった挙げ句、とってつけたような台詞で一人勝手に納得し合って集まるので、手に汗握る感じがまるで無かった。

 やっぱさぁ、ヒーローは「行動」で見せてくれるのが一番カッコイイと思うんだよ。だから、ブルーがシズカの一言で「そうか!」って納得されるより、シルバーが「何か忘れてるような……」の一言で簡単に立ち直ったりするより、ピンクが「このトンガリ野郎……」とか鬱憤ぶつけたりするより、どんなに絶望的な状況に陥っても、目の前の困っている人をどうしようもなく見捨てられない、どこかで傷付いている仲間をどうしようもなく放っておけない、そんな感じを“行動”で見せて欲しかったなぁ。言葉なんて、その後に付けりゃいいんだよ。

 その意味で、自分の闇に気付きながらも、やはり菜月を始め仲間を放っておけずに、身を犠牲にしてもデュアルクラッシャーを使用したブラックが一番理想に近かったかな。でも、やはりそういうのも“過程”あってこそ燃えるから、やっぱり全体としては「惜しい」の一言でありました。

 ダークシャドウの面々は、良い味出しておりました。特に山崎真実さんのあの声は、最初どうなるかと思ったけれど、最終的にはこんな効果的に使えるようになって、まぁ良かったわね、とお母さんのような気分です。それにしても、ミスターボイス……。