「グラビアトークオーディション」

 ゴメスが表紙の「ザ・テレビジョン」で特集記事があって、「若槻千夏が司会」という一点のみを頼りに(頼り?)視聴。そんで、そのあまりの恐ろしさにものの 10 分で断念。「つまらない」とかじゃなくて「恐い」。ホラーですよ。

 形式はグラビアイドル(全員新人? 松嶋初音以外全員知らない……)相手のまんま「恋のから騒ぎ」(基本テーマがあって、それに関して持ってるエピソードを披露する)。基本のスタジオ 7 名、控えグラビアアイドルが数名居て、その回のトークの出来によって随時入れ替えていく、というルールらしい(だから「オーディション」)。

 この「トークが上手く行かないとレギュラー落選」というルールがキモで、番組の主軸はトーク内容なんかではなく間違いなくここ。誰かが喋る度にその喋った奴の本番前の意気込み本番後の反省が流され、その上誰かがスベるとそれを喜ぶ主旨の感想を本番後に他の誰かが述べる様子や、誰かがウケるとそれを妬む主旨の感想を本番後に誰かが述べる様子が流される、というトーク番組の表も裏も全部見せ物にするという主旨の番組のようです。

 これがあまりにも恐ろしい。これが芸人だったら、裏の顔もある程度技術で笑えるものにできるでしょうけど、基本的に全員新人のグラビアアイドルなので、人の失敗を喜ぶ姿も人の成功を妬む姿も全部剥き出し。何のオブラートにも包まれてない妬み嫉みが渦巻いていて、とても笑えないし、かと言って揃って全員醜いので応援する気にもならない。

 じゃあ一応純粋なトーク番組としてどうかと言えば、そのルールのお陰で全員必死な上に、基本的に全員技術ゼロなので、基本上滑りのまぐれ当たり頼みで見られたもんでは無い。

 もうとにかく、観ている間、人間の醜さをまざまざと見せつけられている気分で、とにかく恐くて恐くてたまらなかったです。いや、こういう風景は芸能界に限らずどこでも転がってるもんだとは思いますけど、それを笑いに出来たりするのがテレビだろーと思っちゃう人間としては、辛かったです。芸人って凄いわ、ホント。改めて尊敬します。

 唯一この番組に関してポジティブな印象があったとすれば、勿論若槻千夏の堂々とし過ぎな司会っぷりトークの仕切りもキャラ弄りも、「から騒ぎ」のさんま師匠に勝るとも劣らない(というと若干言い過ぎですが)ものが御座いました。隣に居たほしのあき完全にアシスタントだもんな。若槻も別の意味で尊敬します。