「役者魂!」

 「前回はまだ紹介だったんだ、だからあんなまどろっこしかったんだ、きっと今回からは話が動くはず」と何の義理か自分に言い聞かせて観た第二回で御座いましたが、そのお陰もあってか第二回の印象は第一回の倍ぐらい悪かったです。

 「開演まで時間がない」というシチュエーションの中、次から次へと無理難題が降りかかって右往左往……という三谷幸喜が書いたらガッチリハマりそうなシチュエーションにはすごーくわくわくしたのですけど、結局そのシチュエーションが藤田まことに色んな衣装を着せるという悪ふざけで終了し、「こんなことしてる間に開演まで 1 時間!」とあっさり片付けられ、「一目観たときから私の子供だと分かった……」とエスパー紛いのことを言い出してなんとなーく感動のオチという訳分からなさに絶望。

 大福を様々な手を使って持っていくとか、そういう「光りそうなシーン」はいっぱいあったのに、結局どれもどっちらけ。最終的には、小手先のギャグでなんとか繋いでいるという印象しか残らなかったのでした。相変わらず妄想劇は流れをぶった切るばかりだし。

 っていうかさー、そもそも本能寺の「シェイクスピアへのこだわり」がどう見ても単なる思い込みでわがままにしか見えないことが問題だっつーのに、それをオカマのスタイリストの一言であっさり心変わりするってどういうこと? 本能寺の信念って結局何なの? こういうキャラクターは、どこかに「憎めないところ」があってこそ成立するのに、ここまでの本能寺には「単にわがままな老人」という印象しか受けないのは非常にマズいと思うんですが、そこら辺如何。

 来週はどうしようかなぁ……「マネージャーがあの手この手で役者をノセる」みたいなフォーマットになるなら、それはそれで見所ありそうですけど……う〜ん。