「結婚できない男」

 ケンちゃんと桑野の密かな逢い引き(?)には笑った。「忘れよう」って全然忘れてねぇ! ってか悪化しとる!!

 ふとしたことで知り合った若い女三津谷葉子)に軽くそれっぽく振る舞われただけで完全にその気になる桑野。その女のことを彼女と疑う連中全員に「彼女じゃないって誰が言った?」とみみっちい見栄を張る一方で、いざ会うことになれば服を並べて必死のコーディネート(何故か全部派手な柄シャツ)したり、必死で髪をセットする桑野はあまりにも滑稽で片腹痛かったけど、あまりにも滑稽な所為で今までの偏屈桑野からすると多少の違和感も否めず。まぁ、「桑野も所詮男です」ってことなんでしょうけども。結局後味悪いオチがあったわけでもないからいいか。あんまりたぶらかすなよー。

 ただ、その桑野の見栄が回りに色々な影響を与える様は面白かったです。負けじと英治に強要して何故か戦国時代オタク(どこから連れてきたんだ英治)と合コンして意気消沈するみちる、「桑野に彼女」という想像を絶する事実に夏風邪を引いて早坂先生とこわ〜い間で会話する沢崎。

 そして見合いに挑戦するもすぐに諦める早坂先生。桑野との「見合いやるって言っちゃったじゃないですか!」「……それ何の関係があるんですか?」「……無いですね」というやりとりに笑った。意味深だわぁ〜。

 その見合いを陰口叩きながらものすげぇ気にしてる桑野がまた面白かったなぁー。そわそわしながら電話をしようかしまいか迷う桑野、意を決して驚くぐらい取って付けた用事で電話を掛けるも、早坂先生に仕返しに「上手く行きました」と見栄を張られ(この辺似た者同士)、ショックを受ける(?)もいそいそと結婚祝いを買いに行く桑野。お前もっと正直になれよ! って肩叩いてやりたくてしょうがなかったよこの辺。

 で、駆けつけた早坂先生にカッコ良く止められて、嘘だと告白されて慰めようとするも、やっぱり嫌味ばかりで怒らせる桑野。最初は狼狽した癖に、最終的に「ヒステリーか」と自分には責任を感じない辺り、非常に桑野っぽいオチが付いたのは好感。

 もうちょっと若い女との交際そのものに桑野に得るものがあって欲しかったとか不満は少々あるけれど、早坂先生と桑野の似た者同士っぷりが堪能できたし、早坂先生から桑野、桑野から早坂先生への気持ちも非常に分かり易くチラつかせて今回も面白い回で御座いましたよ。

 来週は、今週の「沢崎の引き抜き」と「ケンちゃんと桑野の逢い引きを怪しむみちる」という伏線がどう活かされるのかに注目。まぁ、殆ど前者が中心だろうけど、後者も盛り上げて欲しいなぁ。「まさか桑野さんに先を越されるなんて」とまで言ったみちるが、愛犬にさえ桑野に持って行かれたときの行動……想像するとちょっと怖いな。