「吾輩は主婦である」(終)

 全 8 週、全 40 話が終了。人生で初めて昼ドラ全部観たよ。

 同じ 30 分フォーマットでも、帯な分特撮とは話の進み方が大分違っていて、最初の 2 週ぐらい(正確には「吾輩」が定着するまで)はその独特の話の進みの遅さに慣れるのが大変だったのですけど、慣れてからはドツボ。元々、宮藤官九郎のギャグは好きであるし、演出面での「遊び」が殆ど無かったので大変見易く、ついでに役者陣のはっちゃけぶり(斉藤由貴さん、竹下景子さん、本田博太郎さん他多数)も相まって無茶苦茶楽しませて貰いました。

 前半のみどりの吾輩化を巡るドタバタ、終盤の遺書騒ぎなど、連続ものシリーズ(?)も面白かったのですけど、個人的には中盤の「ほとんど 1 話完結」シリーズが、シットコムの香りがほのかにして好きでした。その殆どは「急にどこからか誰かが訪ねてくる」というパターンなのですけど、それでも力業で転がしてくれるから楽しい。

 基本、ボケてボケてボケてボケ倒しの作劇も、そのボケの谷間(もしくは真っ只中)にほんのすこーししんみり来るエッセンスを入れてくるので一向にうんざりすることもなく、高いテンションのまんま何週も続いていく様は奇跡のようでした。ボケの殆どが「台詞」だったのも大きいかも。

 個人的に好きだった回は、「金曜は絶対に悪いことが起きる」と言って引きこもる回と、娘に向けた遺書の回。前者は、次々訪ねてくる人間に因縁ふっかけて不幸を回避しようとする様が完全にシットコムな感じで大変面白かったし(不幸じゃなかったと知ってもあれこれ可能性を模索する様が特に)、後者は散々振り回されるコウジと朝野のオチのコントラストが素敵でございました。

 役者陣は、全員が全員いい具合にはっちゃけてて、特に斉藤さんと竹下さんとなまはげ(敢えて役名のあだ名)の貢献度はもの凄いと思いますけど、やっぱり本田博太郎さんはデカかったなぁ。アフレコだけなのに、あれだけ斉藤さんとシンクロさせた上に表情付けるなんてほぼ神業。

 故に、最終回で本人が登場したときは何故だか興奮致しました。「仮面ライダーカブト」でほぼ毎週観てんのに、何割増しかカッコ良かったッス本田さん。欲を言えば「完全に本田さんな吾輩」(「カブト」でその片鱗を見せてただけに)も観たかった気はしますが、やはり斉藤さんとシンクロさせてこその「吾輩」が、このドラマを支えてたのだなぁ、とも思います。

 そんなわけで、ホントに楽しい 8 週間で御座いました。 40 回もあって、一回も「今日は別に見逃しても良かったな」と思うような回が無かったのはホント凄い。まぁ、本田さんと斉藤さんに誤魔化されてるだけかも知れませんが、そんな誤魔化され方なら大歓迎。なんて。