「クロサギ」

 ……まぁ、1 クールで終わる連ドラなんだからこうするのは分かるけど、やっぱ無理あるよなぁ……。今まで手がかりさえ無かった御木本へのルートがトントン拍子で出来たり、黒崎の逮捕状が簡単に出たり、「じゃあ今まで何だったのよ?」っていうクライマックスの持って行き方。

 そこ以外でも「何故かいきなり氷柱の部屋にある花火」だとか、「花火でキャーキャー騒いで一瞬和解、という一昔前な風景」だとか、「都合の良いところに都合の良い人物登場」だとか、作りがすげーチープ。つか、そもそも「最後は警察に捕まる」という制限自体がアレなんですけども。

 いしだあゆみの怪演、色んな人種総出のさくら作戦、それを指揮する山下君、とかは面白かったですけど、締めるべき部分が全然締まってないのでクライマックスとしては失格のような話で御座いました。

 でも、個人的にはやはり、山崎努さんの鬼気迫る死にかけ演技が観られただけで良いんですけども。いやー、山崎さんは相変わらず死にかけたときの演技がすげーなぁ。「世紀末の詩」ってドラマでも、ボコボコにされて、血反吐吐いて、それでもカッコ良く死にかけながら喋る山崎さんに平伏したもんですけど、あの声はヤバイ。カッコイイ。

 あの声で、またいつものように振る舞おうとするから良いんだよなぁ。観ましたか、全身にマント巻いて、顔面蒼白で、声もガラガラで、それでもいたずら笑顔で御木本ルートゲームする顔。最高ですよ。

 最終回はまぁ、このドラマの性質上、御木本をのさばらすわけがないのでその辺のオチは既に丸見え。あとは、黒崎と氷柱の関係にどうオチを付けるかなんですけど……それもやっぱり、黒崎を幸せにするわけにいかないから、ある程度見えちゃうんだよなぁ。そこら辺、どう工夫してくれるかが見所か。