(新)「西遊記」

 最初に僕個人の状態を説明しておくと、真面目に観た最初の「西遊記」は、唐沢寿明さんと牧瀬里穂がやった奴。と言っても、殆ど内容は覚えてない。俗に「本家」な堺正章版も再放送(しかもテレビ埼玉の)で数分観た程度なので、作品自体に思い入れは殆ど無し。

 以下は、そういう人間が書いたものと思って下さい。

 とにかく、全体的なセットのショボくれ加減が凄かった。「響鬼」だとか現役特撮作品よりよっぽどお金掛かってるだろうに、何であんなにショボいのか。コント番組でももう少しマシだろう。まぁ、「コント番組だと思って観る」のと「ドラマと思って観る」という意識の違いもあるだろうが。多分、「自然物をセットで作る」という無謀と、「普通のドラマの映像技術(カメラ)で撮ってる」無謀の、ダブル無謀を犯してるのが原因だと思う。

 自然物をセットで作る時点でかなりヤバイのに、それを普通のカメラで撮ったら鮮明すぎて「作り物感」が浮き彫りになっちゃうんだよなー。故に、特撮作品は未だに予算のかかるフィルムで撮ってたり、特殊な映像処理をしたりしてるわけで。いや、あくまで受け手の印象としてであって、何か専門知識があるわけではないけども。

 んで、そこに加えてアクションシーンで長回しをせずに細かいカット割りで繋いだ結果、より一層セットの狭さを強調する結果になって、ショボさ増強。まぁ、そういう問題をクリアした、本気の「牛魔王の館」を作ろうとしたら、映画一本分ぐらいの予算掛けなきゃならないだろうから、しょうがないのかもしれないけど。

 ただ、牛魔王の館だとか岩場だとかがショボいのは上記の理由でしょうがないとしても、民家のセットまでショボいというのは………なんだろうなぁ、あの安い感じ。映像がキレイ過ぎる所為もあるんだろうけど、こういうとこお金掛けないと後で響きますよ、ホント。

 というわけで、映像的には砂漠ロケ部分以外は見るとこなかったのだけど、そこ以外は結構面白かった。特にコメディシーンは役者それぞれハズレ無しでハマっていて、結構笑えたので一安心。特にウッチャンは、最初「クールな役」と聞いていたので若干不安だったのだけど、伊藤君と一緒にツッコミもするしボケもするし、言ってしまえばコント演技なんだけど、それもまたマッチしてて良かった。まぁ、「コントだった」ってことなんだけども。

 アクションシーンも頑張ってたなぁ。香取慎吾ウッチャンもよく動いてた。ウッチャン、40 なのによくあそこまで動くなぁ。最初の香取 vs 木村の殺陣はスローモーションで誤魔化しまくりだったけれど、その後のvs 戦闘員のシーンでは、(恐らく)早回し無しでもそれなりに速さだったし。だからこそ、よりセットのショボさが際立っちゃうわけだけど……。

 で、そのアクションの感じが、どこかで見た感じだな……と思ったら、スタッフロールに「JAE」の文字。やはり僕にはJAEのアクションが合っているようです。というわけで、これからも不安半分、楽しみ半分で継続視聴決定。