「牙狼〈GARO〉」

 何だか、週を追う毎にどんどん自主制作映画みたいになっていくなぁ。

 冒頭の字幕モノローグは一体何だったんだろう。アフレコのスケジュール取れなかったのか。しかも、その字幕自体が気が利いてりゃ話は別だったのに、出てきた字幕のなんと説明的なことか! お前は「エンタの神様」か。

 確かに、今回のストーリーにこの字幕が説明している事はとても重要な意味があったんだけど、それにしたってもう少し上手い見せ方無かったものか。っていうか、これもっと短い、ちょっとした台詞で片付けられるだろう。サラッと見せられるものを仰々しく飾り付けた上に、その結果が鬱陶しいだけなんて、最悪だと思うが。

 ここ以外にも、取って付けたように出てくる黒コートや、コインの奪い取り方が恐ろしく格好悪いとか、ヒロインに「変なことしてないでしょうね?」って言われて普通に動揺しちゃう白コートとか、演出的に「ん〜……?」と思う場面は多々あったけど、「ん〜?」どころか「はぁっ!?」って思ってしまったのは今回のホラー戦。

 「ゲームを仕掛ける」「ゲームに勝つと魂を奪って肉体だけを喰らう」という設定は面白かったのだけど、その戦い場面が全編CGで、これまた恐ろしくショボい。というか、中途半端なんだ。背景がかなりデフォルメされた「絵」で構成されているのだけど、それがその最大の原因。

 例えば、この背景をまるで舞台の書き割りのように見せたいんだったら人物を背景に同化させようとしすぎだし、「幻想の世界に迷い込んだ」的な処理にしたいんだったら人物が浮きすぎ。というか、CGがどうこうより照明が悪いのかも知れないけど。その辺は技術的な知識が無いので分からない。

 こういうのって、アニメなら成立するんだけど、実写でやろうとするとハリウッド並の技術と予算が無いとただただ画面がショボくれるばかりで、何にも効果無いと思うけどなー。しかもゲーム対決なのに、これまた中途半端にワイヤーアクションとか使うからショボさ爆発。何にも格好良くもないし刺激的でもない。

 ヒロインの肉体が大量にあって、その中から本物のヒロインを見つけて再生させる一連の流れとか、階段で座りながら何かを考える白コートのラストシーンとか、オチの部分は非常に良かっただけに、それまでの道のりがいびつ過ぎたのは残念至極。妙な仕掛けが無かった分、序盤の頃の「アクションしょぼいよー」とか言ってた頃の方が面白かったな……なんて思ってしまう。

 来週は主人公回想編か。僕は勝手にこの番組は 1 クールで終わるもんだと思ってたんだけど、どうやら 2 クール以上続く様子。その所為かな、ここ最近の試行錯誤とも取れる展開は。長期シリーズの構成に悪戦苦闘してるのかも知れない。今後に期待してます。