「仮面ライダー響鬼」

 まーたやられてるし裁鬼さん……。裁鬼さんに汚名返上の機会は来るんだろうか……来ねぇんだろうなぁ……せめて、一回ぐらい音撃させてあげなよ……。

 イブキ・あきらと轟鬼斬鬼の苦悩ドラマは、前回の「なんか唐突だなぁ……」と印象を引きずってしまっていて、素直に乗れなかった。終いには、イブキは自分で「僕は悩んでる」とか言っちゃうし、轟鬼も「負けたけど、負けてません!」とか言っちゃうし。お前ら何でも口で説明しすぎ。と言うより、余計な口上多すぎ。そこはお前、最小限の台詞で「あとは推して知るべし」がセオリーだと思うが。

 例えば、イブキのは「選ぶのは君だ」だけで十分だし、轟鬼も「来ないで下さい」と「ありがとうございました」だけで十分。イブキも轟鬼も、表情の芝居が下手な方では無いのだから、あとはそこと演出の勝負だと思うけど。あんまり口で説明されると、なんだか逆にボヤけるんだよなー。それに、イブキとあきらの場合、なんだかあきらの苦悩が大分最初からズレてきている気さえする。う〜ん、なんだかなぁ……。

 対して、響鬼のパートは最近では珍しいぐらいのこれぞヒーロー! な描写盛りだくさん。こっぴどくやられた後、復帰、「負けると分かってるのに行くなんて!」と言われれば「待ってる奴が居るからな」、みどりと明日夢くんがピンチになればタイミング良く現れて過剰な逆光の向こうから登場、やられてもやられても立ち上がり、明日夢くんの一言で一閃! ん〜、気持ちいいぐらいヒーローだった。

 欲を言えば、「明日夢」と呼ぶのはもう少し待って欲しかった感はあるけれど(響鬼明日夢くんとの関係に置いて重要なファクターであるわけだし、正直最終回でも良かったと思ってる)、それでもここまで王道で来られると、こちらとしても燃えざるを得ず。

 で、この展開に一役買ったのはやっぱり転校生。それまでは、鬱陶しさが先に立っていたけれど、それは演出の所為だったということがよく分かる。「明日夢くんとは視点の違う同世代」という役割の中で上手く活きてると思う。ここ二回はすごくよく動くキャラになってて良かったなぁ、という感じ。

 まぁ、「断続的に出る音波なら、今までだって攻撃のチャンスはあったんじゃ?」とか、「それ、どう見ても音撃じゃないのになんで防いでるの?」とか、「カギ開いてるのに誰も店番居ないっておかしくね?」とか、言い出したらキリ無いけどね。それでも、響鬼パートは本当によく回ってた。

 響鬼明日夢・転校生のラインの方向性がようやく定まったところで、来週の主役はあきら。今週決着付かなかったら、際限なく長引くと思っていたけれど、来週はなんとあきらが変身!? うおーテンション上がってきたー。まぁ、絶対変身はしないとは思うけど。だって、あきらが変身したら小さすぎて嫌だろう。どういうオチにするか楽しみにしておく。

 それにしても、久しぶりに出てきたおやっさん一家勢揃い、まさかのコメディ担当……。君ら、いい加減サポートの仕事復帰したらどうかね。みどりさんだって、あんなに活躍してるというのに……。

 あと、地味に捕まってたときの明日夢くんの演技が飄々としすぎてて笑った。「うわー」とか「すごい!」とか。久々に明日夢くんらしい明日夢くんであったよ。