「タイガー&ドラゴン」

 再会の場所がバスガイドパブって……意表突きすぎ。まぁ、普通に再会はしねぇだろうなぁとは思っていたけど、まさかパブだとは……小虎とどん兵衛の間に異物居すぎだから。揃いも揃って「私、どうしたら良いんですか」みたいな顔しやがって!おもしれーじゃねぇかこのやろう!

 それはともかく、本当にド真ん中ストレートな最終回だったなぁ……悪い意味じゃなく、全く意外性が無かった(いや、ジャンプ亭ジャンプが汚れ芸人になってたり、辰ちゃんの奥さんがアニータとかは充分意外だったけど。つか度肝抜かれたけど後者は)。それ故に、小虎のどん兵衛のガッシリ抱き合いにはグッと来た。小虎とどん兵衛の葛藤が、教科書通りかと思うほど本当に分かり易く、丁寧に描写されてたお陰。

 でも、個人的にこの最終回で最高のシーンはここじゃなくて、鶴瓶師匠とどん兵衛とのシーン。仲直り→小虎の事で責任の押し付け合い→再び仲直りというシーンなのだけど、西田敏行さんの熱演にホロリとなりそうなところに、「ごめんなー」「堪忍なー」とじわじわと死にかけのエイリアンみたいな動きで仲直りするわけですが、その様子を観て、さっきまで一緒に感極まってたのにちょっと引いてる奥さん二人に笑わされた。あれ卑怯。卑怯と言えば、日向さん・ヤスオ・力夫による連続怖い顔も大概だけど。

 先週までは、なんとなく嫌な予感というか、この淀んだ空気は直らないんじゃ……みたいな感じがちょっとしてたのですが、最終的に誰も不幸にならない(ヤスオや力夫まで!)結末で、本当に良かった。幸せなドラマでした。ありがとうございます。個人的には、落語を本格的に聴くきっかけを与えてくれて本当にありがとうございました。

 ただ、最後の最後の「タイガータイガー……」は、最初の観客席からの一発がピークだったので、あそこで切って欲しかったな……なんてちょっと思いましたけども、それはご愛敬ということで。「その後」を描かないのもそれっぽいと言えばそれっぽいし。

 あー面白かった、ということで。