「仮面ライダーディケイド」

 電王編。取り敢えず、ちょー興奮した

 言うなれば、僕が「ディケイド」の企画を知ったときに思い浮かべた理想型。その番組を一年放送した上で確立したキャラクター達が、本編のキャラクター達とクロスオーバーすることで新たな物語を生み出す……まぁ、今回の話に物語があったのかというのは取り敢えず置いておいて、テイストは大分違うものの、「仮面ライダーSPIRITS」的なクロスオーバーの興奮を味わえました。

 それは、単純に「オリジナルキャストが出てる」というだけじゃなくて、

 例えば、電王が変身したときに鳴り響く BGM だったり。

 例えば、双方が双方の設定を聞いたときのリアクションだったり。

 そういう細かいところに、僕みたいなキモチワルイ輩はその作品を一年見続けた感慨が沸いてくるわけで、そこから生まれるストーリーこそ、クロスオーバー作品の醍醐味なんじゃないかと思うわけですよ。そこを踏まえてこそ、「アギトと電王がフォーム変えながら戦ってる!」という興奮が更に高まるのですよ。

 そりゃあ、今回映画の宣伝やら色々事情があってこその実現だと思うけど、だからって批判的な気持ちにはならんなぁ。というか、本来これが基準であって、今までの大コスプレ大会の方が異常だと思うんですけど。だって、「リ・イマジネーション」とか謳ってるけどさー、今までの世界ぜーーーんぶ僕には妥協の産物にしか見えないもん。あれが出来ないからこれしましょう、あれが出せないからこれ出しましょう、という積み重ね。しかもほぼ上手く行ってないし。別に全否定はしないけどさぁ……。

 今回も主人公は出てないわけだからある種妥協の産物ではあるんだけども、それでも脇役(まぁ、モモタロス達は殆ど主人公みたいなもんだけど)達がしっかり世界観持っていればここまで「作品世界」を背負えるんだぞ、というのはキャラクターどうこう以上にその作品の意地なんだよ。そこを通してくれるから、一年間付き合った視聴者としては嬉しいんです。

 だからっつって満点の話だったわけでもないけど(話がなさ過ぎる、とか折角のキック対決が足の方向めちゃくちゃで「ブラック vs シャドームーン」を見習えよ! とか)、「自分が求めていたものが少しでも観られた」という意味で「ディケイド」で初めてある程度の満足感を感じております。面白かった。

 来週は劇場版連動で色々あるだろうけど、まぁその辺は上手くやってくれれば。取り敢えず、次回予告でクウガゴウラムが振り回されてるっぽいのにちょっと笑った。

 あ、あと個人的にはリュウタロス憑依時のウィンクがツボでした(何の話?)。