「 27 時間テレビ」

 全部消化しました。不評著しい「列島カーペット」すらも早送り無しで観続けて、お陰でほぼ不眠だぜ! 何してんだオレは! 最初はブロック毎に感想を書いていこうかと思っていたんですが、あちこちの感想読んでる内に何か嫌になったので(あと眠い……)簡単に。

 取り敢えず「やっぱりさんま師匠はすげぇ」と思えたことが一番嬉しかったです。事前の構成を観たときは「大丈夫かよ……」と思ったし、実際の番組でも随所でそう思ったけれど、でもやっぱり、自分で「ペース配分を間違えた」と最初からフルスロットルでボケまくり、飛びはね、数々の戦友達の絡み、どんどん声が出なくなっても聞き耳だけは立て続けてファイティングポーズを決して崩さないその姿勢。そんでもって、前妻が来るっつってんのに何の躊躇もなくエロ話をするアホっぷり。天才で狂人で愚人である明石家さんま。あぁ、僕はやっぱりあなたについていくよ! と改めて思う放送でありました。

 勿論、さんま師匠以外のベテラン勢(含前妻)は全員その底力を見せつけていて凄かったのだけど、シンパの一人としてやはり一番さんま師匠に感動しました。どうせ他の人達は色んな人達が拾うんだろうしね。

 あと、あんまり裏のことを言ってもしょうがないのだけど、エンディングの馬鹿騒ぎでなんか涙出た。「めちゃイケ」のブロックで師匠が「ワッキーが滑ってみんながフォローしてるとき、三宅さんが『笑いって素晴らしい』って泣いてた」と言っていたけど、正にそんな感じ。

 だってさー、「三宅さんの有終の美を飾るために、さんまが死ぬほど喋ってたけしが本気でふざけて今田が人身事故に遭って、100 人近い芸人達が『面白いもの』を作るために死にもの狂いで声を張っている」っていう構図が素敵なのに、最終的にはいいおっさん達がみんなで水ぶっかけあってるんだぜ? その最中で、びしょ濡れで粉まみれのさんま師匠がさりげなく「ありがとうございました、バイバイ」とやってるのを観て、何か上質な娯楽映画の終幕を観たような深い感動を味わってしまったのですよ。

 「テレビなんて意味無い」とか「意味無いから良いんだ」とかそんなことをよく言うけれど、今回その考えがほんの少し変わりました。意味はある。還暦近い、若しくは過ぎたおっさん達が、ただ一人の盟友のために、ただひとつの番組を盛り上げるために、ただ一瞬一瞬の笑いを取ろうとがむしゃらに命を削る。その様に本当に意味が無かったら、世の中あまりにも悲しすぎるじゃないか。その姿、その絆、その信頼、その意地、その全てに明らかに意味がある。その集大成たる「番組」を僕らは受け取っているのだ! と、何だか「テレビ番組」に接する姿勢そのものをちょっと考えてしまいましたよ。

 「面白さ」というものには、勿論時代性とか流れとか色々あるんだろうけど、突き詰めるとそういう部分じゃないか。放送コードがきつかろうが何だろうが、「今の時代」に面白いもの作れるとしたら、やっぱりそういう「意味」を持てるかどうかなんじゃないか。理想論ではあるけれど、今回の大騒ぎながらも絆と信頼に彩られた(「内輪受け」と言われればそれまでなんだけども)エンディングを観てて色々考えてしまった次第です。

 番組としては、「昭和バラエティ集大成」という感じで、それが良い面に出たところ(数々の無茶や数々の共演)もあったし、悪い面に出たところ(単なるおっさんの散歩や「列島カーペット」。でもタマネギくんはちょっと面白かった)もあったけれど、少なくとも「今」のバラエティの集大成ではなかった。出来ることなら、「今」を生きる人達が作ったものがこのパワーに匹敵して欲しいと思います。

 とにかく、期待以上だったし、気持ちも新たに出来たし、ある種とても「お祭りらしい」 27 時間テレビだったかと思います。ありがとうございました。

 最後に。「めちゃイケ」のブロックで「歴史的事件 TOP 5」の中、3 つが自分の演出した回で、てっきりネタなのかと思ったら思いっきり本気らしく、またひとつ「めちゃイケ」を嫌う理由が出来てしまいました。どんだけ自分好きなんだよ……そのブロックの完成度も低いしさぁ……。