「仮面ライダーキバ」

 そんなに雑音が嫌なら、そんなとこを歩かなければ良いと思うんだが……何故にそんなに都心に行きたがる?

 激しく「555」の使い回しのようなエピソード(演じているのがスマートブレインの社長だし)だったけれども、流石に外していなかったし、何よりも開始以来、初めて音也に物語的な意味があったのはデカかった。お陰で過去と現在が初めて一本の線になったし、音也と渡が親子である意味もあった。果てしなく馬鹿だけれど「音楽を愛する者」として真摯に接しようとする紅親子と、それぞれ事情は違うものの決してファンガイアの個性を認めないカルト教団のような「青空なんちゃら会」とイクサの対比等、今までふわふわと漂っていた設定達をビシィッ! と収めるべきところに収めて整頓するだけでここまでのクォリティが出せるという事実には正直びっくり致しました。なら最初からそうしろよ!!!!

 過去で音也に救われ、現在で渡に看取られていくファンガイアの演出は勿論、迷い無く相手を認める音也と迷いに迷ったあげくキックを外すという中途半端な(そして画的には最高な)手段しか取れない渡など、あちこちで演出がキラッキラ光っておりました。ま、最初に書いた通り、「ファンガイア」を「オルフェノク」に置き換えたらそのまんま「555」のどこかのエピソ−ドになってしまうような話なんだけども……そういう意味で、まだまだ「キバ」は過去の恩恵から抜け出せてないと言えるかも知れませんね。未だに「キバ」としての魅力は未知数。というかあるのか!?