(新)「あしたの、喜多善男」

 村上ショージさんの大親友、小日向文世さんの初主演ドラマと聞けば、無条件で観るわけですけども……これは、何か、う〜ん………ねぇ? こう……ねぇ?

 一言で言えば「全然分からない」。こんなタイトルだから「コメディかな?」と思ってしまったせいで余計に変なものに見えてしまった。見識と造詣のある人が見ればもしかしたら大変にクォリティの高い作品なのかも知れないけれど、僕のようなしょぼくれおじさんには、居酒屋でおっさんに延々と「俺ってダメな奴なんだよー」とクダ巻かれてるような感じで、ずっと眉間に皺寄せながら観た。

 「さんまのまんま」で要潤(「アギト」を黒歴史にしないでいてくれてありがとう!)が語ったところによると、「小日向さんだけが善人で、あとはみんな悪者。そんな悪者たちが小日向さんを料理していく」というドラマらしい。何か、そのあらすじだけで気が滅入っちゃうんだよなー。何か辛気くさくて。別に辛気くさいなら辛気くさいでいいんだけど、この第一話に限ってはホントに辛気くさいだけ(放送時間の 8 割主人公の独白だし)でこっちが辛かった。

 まぁ、まだ第一話で全要素の説明だけで終わってしまってる所為もあるんだろうけど、話が殆ど無いのでただただ辛気くさい話でありました。主人公が何でそんなに死にたいのか(少なくとも現段階でそこまで不幸には見えない)、周りの人間の思惑は何なのか等々、基本設定を説明し終わった来週以降、それでもまだ辛気くさいだけだったら素直に諦めよう。「奇跡の 11 日間」とかサブタイトル付いてるから、「僕の生きる道」みたいな展開になるのかしらん? それともホントにただひたすら不幸なの? どう動かすのかもよく分かんない。

 ただ、全編ジャズ調の音楽に関しては、かなり聞いてて心地よかったな。特に置き引き犯を追い回すときの音楽とか最高。