「仮面ライダー電王」

　先週の次回予告で期待した“熱さ”とはちょっと違ったけれど、それでも大変熱くて密度の濃いお話で満足。ゼロノスは勿論のこと、「かゆい事」をしまくってボロボロになりながらも立ち上がるモモタロス、デネブが満遍なくカッコイイのがたまらん。

　何はなくとも、「バ〜カ。カードはお守りじゃないんだ」の台詞。それまでの、姉ちゃん絡みのベタながらもグッと来る演出から、良太郎のピンチに駆けつけるまでの流れからして卑怯なんだが、その台詞が出て、変身するまでの間の無さがまた卑怯だった。この台詞を放った後、あれだけ躊躇ってたのを何のためらいも無しに変身。こういうときに効くのが、あの妙に凝った変身ギミックだよなぁ。あの、いつもならどう考えてもカッコ悪い牛仮面が「モーッ」と現れるギミックに鳥肌立っちゃったもんよ。

　アクションに関しても、敵イマジンが常に上手に立っていて、且つモモタロス達が弱体化したように見えないように工夫してあって、見応えバッチリ。2 対 1 でソードフォームがボコボコにされる場面なんか、非常に練ってあって素晴らしかったでありますよ。そのソードフォームが逆転する場面も、「攻撃を受けて仰け反った勢いのまま、回転しゃがみ斬り」というスピード感は失禁モノ。

　その分、バイクアクションはどうも別に狭いところを走り回るわけでもなく、スピード勝負をするわけでも無いので若干冗長気味だったのと、ゼロノスのトドメがどう見てもまぐれなのはちょっと残念だったけれど。特にゼロノスに関しては、ボロボロになりながら、それでもカッコ良く倒して欲しかったな。

　更に欲を言えば、トドメのクライマックスフォームまでウラタロスやキンタロスに（「弔い合戦や」とまで言ったんだから）も活躍が欲しかったとか、やっぱ最後はキックにしてよとか、色々ありますけれど、概ねは先週の次回予告での期待を全く裏切らない、満足度の高い回で御座いました。

　そして、ゼロノスの「代償」を全て使い切ってしまった侑斗の切ない背中の余韻に浸っていたところに現れる衝撃的次回予告……っていうか、お前今までどこに居たんだよ！？