「さんまのまんま 1000 回スペシャル」

 ゲストはビートたけし

 紳助と共演したとき(特に「 27 時間テレビ」)みたいな「トークの応酬」という感じじゃなく、ホントに「久々に会った旧友同士のダベリ」みたいな感じのスペシャル。しかも、酒( 1985 年産のロマネコンティ)飲みながらなので、ダベリ感が時間が進む毎にどんどん加速していくのが可笑しいですな。あんな早口で喋るたけし自体、久々に観た気がします。別に抱腹絶倒というわけでもなく、かと言って面白くないわけでもなく、さんま師匠の番組にしては珍しく、非常に和やか〜な面白さのスペシャルで御座いました。

 何が良いって、大御所二人が揃って全然話が深くならないのが良い。例えば、たけしが「最近の笑いが分かってまだ安心できる」とかなんとか“その手”の話をしても、さんま師匠が「ほう〜」とか全然気の入ってない相づちで終了するのに、「ゴルフしてたらきたろうに馬鹿にされた」話になると二人揃ってヒートアップするんだ。何だお前ら。

 その上、酒はどんどん進むし、リアクション役も居ないので、どんどんどんどんダベリ感だけが濃くなっていく様は痛快ですらありました。リアルタイムで観覧してた人は、色んな意味で大変だったろうなぁ。

 そんな中、個人的にちょっと面白かったのは、「二人で『エンタ』とか『M-1』とか出てみるか」みたいな話のときに、たけしがひたすら「スベったら嫌」「スベったらカッコ悪い」と言うのに対し、「ウケるとは思いますよ」とひたすら言ってたさんま師匠の対比。まぁ、「審査員、全員後輩やし」とか言ってたし、本人の自信もあるんだろうけど、その前にやたら若手のことを誉めるたけしに「あんたも凄いことやってきたでしょ」と母親みたいな諭し方してたのもあって、なんかたけしに対する尊敬というかなんというかが、ほんのすこーしだけ見えた気がしてちょっとカッコ良かったよ師匠。

 以前の「 60 になったらまた『ひょうきん族』やる」という約束もすっかり反故にされた感がありますが、こうしてダベっている間の話題として出る間が華なのかも? とにかく、事前の期待を裏切らない放送で御座いました。

 あと、「過去の VTR 」で大竹しのぶ出演回を初めて観たけれど、「あぁ、こりゃ夫婦になるわ」って感じで楽しい映像でありましたな。

 それにしても、石原真理子こえーよ………。たけしが「俺も危なかった」って話したときは、正直全然笑えなかったよ。何なのあの人。