「仮面ライダー電王」

 中心の夫婦ドラマは退屈の極み。意外性も無ければ、心に沁み入る演出も無く、残るのは居心地の悪いこっ恥ずかしさだけ。その合間に人死にまくってるし……ペンダント釣る前に教会内の人々助けろよ……。

 ただ、「良太郎・モモタロス・ウラタロス」の関係性は随分と面白かったです。暴力ヒロインさえ投げ出す程に反目し合うモモタロスとウラタロスが、良太郎のピンチにはしっかり馳せ参じ、良太郎によって(強制的にとは言え)協力し合い、「クウガ」以来の「状況によるフォームの使い分け」を実施、結果的に三位一体で敵を倒し、人を救う……という流れは、ヒーロー番組というか、「チームもの」として大変正しい筋書きで、かなり楽しかったであります。

 加えて、ニヒルな笑いとドスの効いた掛け声を使い分けるウラタロスに(ロッドフォームは蹴りが華麗に見えんねぇ……)、ストレスを溜めに溜めた挙げ句、「たーのしー!!」「サイコー!!」と受験が終わった受験生みたいなはしゃぎぶりを見せつけるモモタロス(というかソードフォーム)と、キャラクター的にも視覚的にも美味しいとこを持っていってくれて、そういう部分でも「チームもの」として楽しめました。

 またしても新たなイマジンの出現(憑依したのは現役の GUYS メンバー!)や、単なるお飾りに見えた良太郎姉の思わぬ伏線等、今後の展開を予期させつつ、大事な部分に関しては大分楽しい回でありました。

 「全体のストーリーが全然進んでない」という批判も散見しますが、個人的には「イマジンの引き起こす事件を、憑依された人の問題と共に次々解決していく」というような、「蟲師」か「ブラック・ジャック」みたいな構成になっても良いかもなーとちょっと思ってたりするくらい、今の構成には比較的支持派です。同じ様な批判があった「響鬼」の前半にしたって支持してた人間ですから。

 それにしても、非常に今更ではありますが、デンライナーの玩具の CM は、どう見ても仮面ライダーの CM じゃないよな……電王どころか良太郎すら出てこないし……。