「ウルトラマンメビウス」

 はぁ〜……カッコイイわぁ、エース。メビウスに比べたら、素晴らしいぐらいに寸胴なのに、何であんなにカッコイイのかしら。あのやたらめったら無駄な動きの多いアクションすらカッコ良く見えてくるわ。

 ただ、ノスタルジーをイヤラしいぐらいに突っついてた「 80 」の話と違って、「そういう喜び」はかーーーなり少なかった。往年のあの「声」や、変身ポーズに変身エフェクトなどは嬉しかったけれど、結局最初から最後まで北斗がどこに居たんだか分からないし、エースの登場のタイミングも異様に勘が悪いし、一番の盛り上がりどころであるべき「北斗と夕子の再会」はよく分からない内に済まされるし、エースの登場で盛り上がっただけに、なんか逆にストレス溜まったよ。

 っていうか、まず主軸が酷い。メビウスぶん殴って自分かわいさに殺そうとする絵に描いたような小物ぶりで暴れる小悪党に、「どうだ、人間は醜いだろう」とか絵に描いたような台詞を吐くヤプール、ボコボコにされるメビウスに「先に私を殺しなさいよ!」と絵に描いたような庇い方をするアバレイエロー、とこのラインナップだけで頭痛がするのに、決戦がまたお前一ヶ月に何回やる気だと言いたくなる「仲間の力でパワーアップ」で勝利。もう嫌だー。

 いや、「離れ離れでも心は繋がっている」メビウス達と、実際離れ離れになっても戦い続けた北斗と夕子を掛けること自体は「良い!」と思うんですよ。たださぁ、エースがメビウスを諭したり、全てが終わった後に北斗にも夕子が……とか、そういう場面が盛り上がるためには、お膳立てってものが必要だと思うんです。こんな、レトルト食品みたいなお膳立てじゃダメなんだよ! 感動できないんだよ! 震えないんだよ!!

 はぁ〜あ。「 80 」がああだったから期待したのになぁ。残念。ついでにトドメが大切断じゃなかったのもちょっと残念。