「スティング松岡 危機一髪!」

 内村光良企画・主演によるコメディドラマ。

 「ピーナッツ」が好きだったから、話を聞いたときから割と楽しみにしてたんですが、放送されたものはなんともムズ痒い仕上がり。元カルト芸人(今はリアクション芸人)が、プロデューサーと結婚することになり、その親である首相候補に挨拶するために試行錯誤……って内容なんですけど、まず、全体的にそこはかとなく古い。夫婦喧嘩のときの台詞、娘が結婚すると聞かされたときの父親の台詞などなど、全て白黒映像で観ても違和感のない内容でした。

 そんで、コメディなんだからお父さんへの挨拶のためにドタバタするのかと思いきや、あっさり挨拶は済まされ、何故か話が「親子の関係」に転がっていき、最終的には「あなたのネタでお父さんを笑わせて!」と謎のハートウォーミングオチ。なんか、その直球は直球でも軟球で時速 40 キロぐらいな直球の放り方が、またなんか古臭かった。結局、コメディとしてはところどこにくすぐりがあるだけだったし。

 何がムズ痒いって、こんな古臭い中でも「あぁ、きっとウッチャンの頭の中ではこんな感じなんだろうな……」とか「作ってるのはこういうのがやりたいんだろうな……」というのが如実に分かるから。でもきっと、それを僕らに「完成品」として伝えるには、いろんなモノが足りなかったんでしょう。和久井映見演技の浮きっぷりひとつとってもそれを痛感できます。勿体ない企画でした。