(新)「役者魂!」

 僕はコメディエンヌとしての松たか子さんがかなり好きなので、なら観るしかあるまい視聴。

 事前にあらすじ読んだり、出演者の感じから結構事前の期待値は高かったのですが、そのあまりの展開の遅さにびっくり。ビデオで観たので正確には分かりませんけど、烏山と本能寺が会うまで軽く 30 分ぐらいあったのではないか。もしかしたらそんなに経ってないかも知れませんけど、それぐらい経ってんじゃないかと思うぐらいに展開が遅かったです。

 しかも、その本能寺登場までがやたら退屈なのもびっくり。ギャグ的に挿入される「通行人の人生妄想」もドラマの流れをぶった切ってるだけで特に何の効果も無く、ドラマそのものもあらすじにしたら 1 行で終わる内容で、ホントーーーーーーに何の見所も無し。担当俳優とのウダウダを「俳優が彼女の家に行く最中、わがまま言った後、事務所で態度急変」と 3 分で済ませたり、「通行人妄想」もあのカチンコカットを入れずにじっと見つめている内にいつの間にか妄想にフェードイン、オチが付いたところで誰かに呼ばれてハッと我に返る、というような表現にしたりとか、もっとテンポが生まれる演出は無かったものか。

 じゃあ本能寺登場からは話が動いたのか、と言えば特に動かず、そのままなんとなーく本能寺の人間性が示され、なんとなーく子供達が出てきて、なんとなーく初日を迎える、という特に山場の無い、恐るべき無味無臭の展開。良かったところと言えば、松さんの「社長!」という叫びと、子供のこまっしゃくれた台詞回し(「泣くぞ! 疲れて寝るまで泣くぞ!」)ぐらいのもんでクラクラ致しました。

 大体、物語の主軸となるべき本能寺のキャラがなぁ……。「偏屈で、不器用だけど熱い心を持った優しい人」というのだったら、既に前期で「桑野」というその最上級キャラを見ている分、あの程度でそれを描かれても全く物足りないです。それに、誰にも相談せず自分の勝手で舞台を塗り替えたり衣装改造したりしたら、それは「こだわりのある人間」ではなくて「単なる自分勝手」だろう。何か根本的に履き違えている感があります。

 本編がこんな感じなのに、妙に凝った次回予告がまたムカついて、良い印象は殆ど残りませんでした。取り敢えず、展開らしい展開があるまでは来週も視聴。それでダメだったらリタイアっす。