「マイ★ボス マイ★ヒーロー」

 先週に引き続いたテンションだった前半でゲラゲラ笑った分(アニキンダーの歌が流れなくて残念)、その反動で後半はズシッと来た。星野くん達が榊を、お友達達が梅村さんを後押しして会話のきっかけを作るシーンとかすげぇ微笑ましかったのにねぇ……。

 梅村さんが過去にヤクザに酷い目に遭わされていて……というのはよくある話なんだけど、そこで「ヤクザ」という職業(?)そのものに疑問というか葛藤を覚えない辺りが榊をよく表していて、また切なかった。特に「俺は悪なんだ……」っていうくだり。同じく、「ウソをついている」ことを後ろめたくは感じても、決して明かそうとは思わない辺りも。デートの最中、「どこを誉めよう?」とか悩んでたバカ面と同一人物とは思えない。

 で、極めつけに教室の「こんなに苦しいなら、青春なんて知らなきゃよかった……」。涙を流す榊の顔もまぁ切なかったけども、それに対する先生の顔もまた切ない。榊の吐露をちゃあんと飲み込んでいくような。そんな榊に贈った「それでも学校に来なさい」というメッセージは、先週の「みんなで楽しみましょうよ!」の 5000 倍ぐらいはグッと来ました。

 同時に、桜なんとかの内心もようやく明かされ、それもまた切なかったなぁ。お友達に「好きなら好きって言わないと」と諭されて、横から「てめぇ、まさかアニキのこと……!」と勘違いぶちかます舎弟とは対照的に、シリアスに語り出す桜なんとかのシーンなんか、笑っていいやら切なくなるやらで大変ですよ。くそぅ、罪作りな奴だ梅村さん!

 そんなこんなで、公式に(?)失恋しても、前のように自暴自棄にならずにちゃんと「本来の目的」を推敲するために「鮫…… same じゃねぇかよ」とか言ってる榊が好きだ。頑張れ榊。

 桜なんとかに梅村さんとの関係とヤクザ初訪問というダブルフラグが立ち、本郷猛こと弟がどうやら兄貴を尊敬しているわけではなく、何か別の思惑を持っていることも明らかになり、全体のストーリーも進んだ回ではありましたが、とにかく切ない回で御座いました。同じ高校生のとき観たら逆に凹みそうなぐらいに。