「お笑い芸人親子で漫才王決定戦スペシャル」

 色んな芸人が母親と出てきてネタをするよ、という特番。

 同じ様に芸人の親を出す企画では、「やりすぎコージー」や「ガキの使い」での成功例があるので、ダウンタウンが珍しくこういう番組の司会をすると「もしかしたら……」といううっすらとした期待は持っていたのですが、結論から言うと最後まで観られませんでした

 それぞれのおかんのキャラは確かに面白かったのですけど、この番組の中心である「親子でネタ」の部分が壮絶に恥ずかしいFUJIWARA・原西のおかんのように振り切れたキャラならまだしも、どんなにおかしいおかんにも一欠片の「普通」が残っている上に、ネタ自体も親子内輪ネタのオンパレードのため、ネタの様相が親子ホームビデオのようになってて、「自分は一体何を見せられてるんだろう」と何故か非常に居たたまれない気持ちにさえなりました。

 また、意外にもダウンタウンそれぞれの親を持ち上げるので、余計にその恥ずかしさやら居たたまれ無さが増加。そこで、ダウンタウンが容赦なくツッコんでくれればまだ良かったのに、結局遠慮なのか探り探りなのか、殆どのツッコミは松本の母(何故か審査委員長)にのみ向けられていて、他の親にはごく普通の対応。何ならちょっと誉めてたぐらい。

 ダウンタウンがツッコまないんだから、MEGUMI やら眞鍋かをりやら石川亜沙美やらの女性タレントで固められた審査員陣がツッコめる筈もなく、時間が経つ毎に恥ずかしく居たたまれなくなり、松本親子の漫才を待つことなくチャンネル変えてしまいました。

 別に「親を出した時点で終わり」とまでは思いませんが、例えば「やりすぎコージー」の親子企画(親がネタを書いて息子コンビが実践、という奴)なんかは、今田と東野のネタ解説なんかが面白かったわけだし、「ガキの使い」はシチュエーション作りの妙。

 そういった何の +α もなく、完全なる直球勝負で来られた結果、要らないとこばっかり生々しくなってしまった感のある特番でございました。まぁ、ちゃんと最後まで観れば、抱腹絶倒の面白さだった可能性も否定できないので、あんまり偉そうなことは言えませんけども。