「HERO」

 連ドラスペシャル版。因みに僕は、本放送時はビデオに録り溜め、再放送はほぼ毎回チェックするぐらいには好きまドラマです。だってタイトル「HERO」だし(単純)。

 取り敢えず、放送中ずーーーーーーーーっと木村拓哉の髪型に違和感がありまくりで、画面に映る度に「あれ? これ久利生? 久利生だよね?」といちいち頭の中で確認しなきゃいけなかったのが面倒臭かったです。まぁ、5 年後の話なんだから髪型変わるのは当然なんですけど、それにしても長かった……。もうちょっと切ればいいのに。暑い地域なんだし。

 内容の方は、中井貴一さんの 10 分以上に渡る供述シーンはかなり見応えあったけれど、それ以外は正直、これといった盛り上がりもなく淡々と経過していった感があり、少し残念でした。特に堤真一さんは、本当にあっという間の改心ですぐに便利キャラになってしまったのが凄く勿体なかった。どうせなら、このポジションに綾瀬はるかを置けばよかった気もしますけど、それじゃあ東京行かせられないもんなぁ……。もう少し、「堤さんのふとした一言がヒントになり、それを誉められて発奮」とか、そういうシーンは欲しかったかも。

 それは他の検事仲間にも言えることで、結局みんな久利生に簡単に言いくるめられて協力してしまうので、何か検事同士のやりとりで話が転がる感じが希薄だったのがちょい辛かったです。まぁ、連ドラが 10 話でやったことは 2 時間でやれってのも難しいかも知れませんけど。それぞれのオーバーアクトはなかなか楽しかったですけども。

 事件自体も、2 時間でやるには地方都市の事情とかなんやらかんやら、裾野を広げすぎた感じも。実際、ちゃんとオチ付いてないし。てっきり、冒頭のにわとり誘拐事件も本筋に絡んでくるのかと思いきや(連ドラのとき、食い逃げ事件が殺人事件に関係していたように)、結局堤さんとのきっかけだけだったし、「新事実」の出方にもあまり新鮮みが無く、そもそも「フリーライターがスキャンダルを売り込み」ってどれだけ使い古されたネタだよ! だし、そういう構成の単純さもあって本筋の面ではあまり入り込めず。中井さんの供述シーンがかなり良かっただけに、余計そう思います。「あの海は、墓なんです」はすげー良い台詞なんですけど。

 あ、でも最後の城西支部のシーンはやっぱりテンション上がったな。なんか、「Zガンダム」でアムロ・レイが出てきたときみたいな?(分かり難い)「仮面ライダーSPIRITS」で本郷猛が出てきたときみたいな?(もっと分かり難い)「今夜は眠れない」で紳助が来たときみたいな?(一番近い)とにかく、そういう「来たーーーー!!」感。ファーストシーンが全員後ろ姿っていうのも、ベタながらツボを押さえてて好感度高し。再会シーンもさらっとしたもんだし。

 個人的な嗜好で言うと、「同じ事件を担当して、現場で成長した同僚と再会」みたいなのが好みなんですけど、検事の世界ではそういうことは無いらしいので、そう言う意味では最善の登場の仕方で御座いました。

 その他、綾瀬は結構良かったです。正直、今までこの人の何が良いんだかよく分かんなかったのですが(ファンの人ごめんなさい)、「東京」という単語にいちいち過剰反応したり、レインボーブリッジ走りながらケータイ振り回してる様は、それなりにキラキラしてて魅力的で御座いました。まぁ、シリアスなシーン、特に「驚き」のシーンになると目を見開くばっかりの演技パターンの無さは改善されてしかるべきとは思いましたけども。

 あとドランクドラゴン・鈴木もチョイ役ながら良い味出してました。「役者」としてはどうか知らないですけど、こういう使い方するなら、多分塚地より鈴木の方が向いてるんじゃないかなぁ。前に、おぎやはぎのライブ DVD でゲスト出演してたときも思いましたけど、この強烈でもなく地味でもなく、不思議な存在感は貴重です。取り敢えず、久利生と一緒になってにわとり追いかけ回すシーンは、今回のトップ 3 のシーンに入ります。

 スペシャル単体としては、正直誉められたもんではなかったとは思いますが、「見たいものが見られた」という意味では及第点というようなスペシャルでございました。希望としては、「古畑任三郎」みたいに数年に一回ぐらいやるシリーズになって欲しいですけど、まぁ無いだろうなぁ……。

 それにしても、「アゴマ」ってどんな匂いするんだろう……くさやとどっちが臭い?